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私はハグ屋さん

お客さんは障害者。そんな専門デリヘルでの経験が豊富な著者が書く、さまざまな男性との出会い

第47回 『障害者専門のデリヘル嬢となるきっかけ』

こんにちは。桂樹碧です。街がクリスマスっぽくなってきましたね。

今回から3回にわけて、障害者フェチの説明と、私が障害者専門デリヘルで働くきっかけになったことを書きます。

もともと私は『障害者になりたい』という奇妙な性癖を持っていました。このような性癖の持ち主を海外ではWannabe(ワナビー)と称しています。車椅子を購入して、障害者になりきって街へ出たりは当たり前の世界です。障害者の人たちは、フェチの人間を受け入れて、彼らに日常生活を動画で撮影させて販売していたりします。

異常性癖を扱った本によると「子供時代に身近で障害や病気で大切にされている人たちを見て羨ましく感じたのがきっかけになる」と書いてあります。私は5歳のときに母親をガンで亡くしているので、それがきっかけだったのかもしれません。

酷くなると性同一性障害の人と同じように、自分の肉体に違和感を感じている状態になります。ですから、過激な行動に走る人もいます。ドライアイスで自分の足に酷い凍傷を負わせて、切断したり……。

子供の頃から、この感情は人に知られてはいけない! と思って、押し隠していました。何冊ものノートに自分の妄想を書き連ねて、絵もいっぱい描きました。自分が車椅子に乗っていたり、足を切断して松葉杖を使ってたりする……。

今から10年以上前、異常性癖の本を読んで初めて、自分以外にも同じような性癖の人間がいるんだ! と分かり、パソコンを購入してインターネットに接続できる環境になってからは、本に書いてあった英単語で同志を求めて、ネットを検索しました。

すると、出てくる出てくる!! 国内は少ないのですが、海外には私と同じように妄想を書き連ねている女性や、車椅子で海外旅行までする猛者がいました。

私は障害の中でも脊髄損傷・頸椎損傷フェチでした。もともとは下半身麻痺にフェチを感じていて、障害者の人の自伝などを読んで、下半身麻痺なら脊損・頸損だ! と思ったのがきっかけです。

切断にも少し興味がありましたが、とにかく脊損・頸損の情報が知りたくて、医学書を扱っている書店へ行っては、脊損・頸損に関する書籍を買いあさりました。しかし、自分の進路として医学系を考えたことはありませんでした。やはりフェチだと知られたらどうしよう……と思ったからです。

障害者フェチとひと括りにしてしまいますが、自分が障害者になりたいフェチのWannabe、身体に障害のある異性・同性を性的対象とするフェチのDevotee(デヴォーティ)に分かれます。私はWannabe気質が強い障害者フェチでした。

国内でも、約9年前に障害者フェチのサイトができはじめ、メーリングリストなども作られるようになりました。しかし、下半身麻痺にフェティッシュな感覚を持つ人は少なく、切断系のフェチの人が多かったです。

そんなある日、某巨大匿名掲示板で『切断女性の魅力』というスレッドを発見しました。最初はやはり切断系の話が多かったのですが、何人かの女性から「手足を切断したい」などという書き込みがあり、私も『脊損になりたい』という内容の投稿をしました。

すると、すぐにレスがありました。

「脊損になったら、セックスも感じないし、うんこもしょうべんも垂れ流しだぞ」

それに対して、私はすぐにレスを書き込みました。

「脊損フェチになって、医学書読んで排泄の問題について読みましたが、おかげでオムツフェチになりました」

「それならオムツして、こういう装具付けて、松葉杖で立って欲しいな」

書き込みの後にURLが貼り付けてあり、見てみると下半身麻痺の人が立位訓練の際に使う、足の装具の写真がアップされていました。その写真は、医学書などからの転用ではなく、どうみてもレスを書いた人が撮った写真でした。

そこで私は、その装具を付けた妄想を書き込みました。画像をアップしてくれた人が障害者かもしれない、と思いながら。

そんなやり取りを数回して、写真をアップしてくれた人がメアドを晒してくれたので、もっと深い話がしたいと思い、メールを送りました。

私からの最初の質問は「障害者の方ですか?」

「そうだよ。脊損で車椅子に乗っている。写真の装具は俺の。質問があれば何でも答えるし、君のことをもっと知りたい」

私のフェチ妄想を聞いてくれて、彼も自分の妄想を書いてくれて、毎日何通とメールを送り、どんどん深い話になっていきました。

当時の私はとてもデブで、何事においても自信が無く、また精神疾患を患って精神科通いの日々で、ほとんど家に引き蘢っているような状態でした。ですから、リアルで逢うことにはとても躊躇していました。

しかし、毎日のようにチャットをするようになってからは、どんどん彼の魅力に引き込まれて、実際に彼の住む街に行って逢うことになりました。遠距離でしたが、これを逃したら私を理解してくれる障害者の人と出会えない! と思って、飛行機のチケットをとりました。

空港に着くと、彼の姿はありませんでした。急いで携帯に電話すると、駐車場が満車なので、到着ロビーの近くに車を止めて、車椅子に乗ったところだから、ロビーを出て、右手に向って歩いて来て欲しい、と言われました。

その指示通りに歩いていくと、車椅子の人がいました。Yシャツにネクタイ。会社帰りの格好で、脊損の人の特徴である、体のバランスを取るために太くなった首、車椅子を漕ぐために鍛えあげられた両腕。私の妄想が具現化したような体型。

「やっと逢えたな」

それが御主人様とリアルで逢った最初でした。

続きは次回♪

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