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私はハグ屋さん

お客さんは障害者。そんな専門デリヘルでの経験が豊富な著者が書く、さまざまな男性との出会い

第18回 『感覚を求めて』

こんにちは。桂樹碧です。沖縄はもう梅雨入りしたそうですね。車椅子に乗っている人にとって、雨というのは非常にやっかいな物なので、梅雨のころはあまりお仕事が無かったのを思い出しました。

この日のお仕事は、都内近郊のショッピングモールがある街でした。仕事に慣れてからは、昼間のプレイで場所がシティホテルだと、一人で仕事に行くことが多かったです。前回も書きましたが、車での送迎が無いと、プレイ後に化粧直しするのが面倒で嫌でしたね。でも、プレイ帰りに初めて訪れた街を散策するのはけっこう楽しかったです。

「お客様は頸椎損傷。腕は上がるけど、指は不自由。ホテルの部屋番号は401号室。直接部屋に行っちゃって」

店長からの電話でお客様のいるシティホテルへ向いました。車での送迎が無い場合、事務所に寄らずに自宅から直接行くため、イソジン、ローション、洗浄綿、コンドームを入れたポーチを用意して持って行きました。

日曜日で快晴ということもあって、街は人でいっぱい。そんな中を歩きました。ホテルのロビーを抜けて、お客様のお部屋へ。ホテルのロビーでフロントマンに引き止められたことは、障害者専門デリヘルで働いている間、一度もありませんでした。

ドアの呼び鈴を鳴らして、お客様がドアを開けてくれるのを待ちました。

「○○(店名)のあすかです」

「どうも初めまして」

頸損だと電動車椅子を使っている人もいるのですが、お客様は手動の車椅子でした。姿勢を保つのに首の筋肉が発達していて、私のフェチ心がムクムクと沸き上がる方でした。

「店長さんから聞いていると思うけど、頸損の完全麻痺だから、勃起しないんだよ」

頸椎・脊髄損傷、しかも完全麻痺だと勃起することはほとんど無理です。損傷箇所が下部だったり、不全麻痺だったりすると、勃起する人もいるのですが、完全麻痺で勃起する人は、私がプレイしたお客様の中にはいなかったです。

「はい。聞いています」

「それと、このホテルのベッドだとトランス(車椅子からベッドや車の座席などに移動すること)できないから、ベッドへの移動をホテルの人に頼んでもらえるかな?」

げ! と思いました。ベッドはダブルで「これからエロいことしますよー!」とホテルの人に言っているようなものです。でも、私一人ではベッドに移すことができないので、フロントに状況を説明して、二名手伝いに来てほしいと告げました。

すると、ホテルの従業員が二名やって来て、お客様の指示で車椅子からベッドへ移してくれました。ちなみに、私が部屋にいても、ホテル側もすべて分かっている感じで、従業員から何も言われませんでした。お客様も何度か店を利用していたので、ホテル側から黙認されると分かっていたようです。

従業員が部屋を出てからお店に電話を入れて、プレイスタート。

「シャワー浴びて来ていいよ。その間に、上半身脱いでいるから」

「わかりました。シャワー浴びてきます」

シャワーを浴びて、部屋に戻ると、お客様は上半身裸で寝ていました。

「ギュッと抱きしめてくれるかな?」

「はい」

ベッドに横になって、お客様をギュッと抱きしめました。

「あぁ、気持ちいいよ。そのままキスして」

唇を割り込んで舌が入って来ました。濃厚なキスをしながら、二人でギュッと抱き合いました。

「手のグローブ外してくれるかな?」

お客様が両手にはめていた、車椅子を漕ぐためのグローブを取り外しました。

「フェラするみたいに指を舐めて欲しいんだ」

そのリクエストは、少しでも感覚のある部分に性的興奮を与えたがっているように感じました。人差し指と中指をフェラするように、丹念に舐めまわしたり、吸ったりしました。

「もっと強く吸って!」

そう言われたので、おもいっきり吸いつきました。

「いいよ、気持ちいい。今度は耳を舐めて」

耳を舐めまわして、軽く噛んだりしました。そして私は、この人なら大丈夫だろう、と思って、私のフェチをおもいきってカミングアウト。

「実は私、脊損頸損の人にフェチズムを持っているんですよ」

「へー! じゃ、俺なんかがタイプってことだよね?」

「そうなんですよ」

「そうかー。なんか嬉しいな」

そんなふうに話したりしながら、時間が過ぎていきました。終了の電話が鳴って、プレイ終了。サッと着替えて、お客様の着替えを手伝い、また車椅子に乗るためにフロントに電話しました。

「今日はすごく気持ち良かったよ。あすかちゃん、ありがとう」

「こちらこそありがとうございました」

「あすかちゃんみたいなフェチの人ってほかにいるの?」

「インターネットの世界ではいますね。男性が圧倒的に多いんですけど」

「そっかー。それじゃ家帰ったら検索してみるよ」

「多分、私が運営している掲示板が出て来ますよ」

「ハンドルネームはあすかちゃんのまま?」

「違います。二つあって、桂樹と夏美という名前を使い分けています。夏美だと2ちゃんねるのフェチ板のスレッドがヒットしますよ。そこに掲示板のURL書き込んでありますから」

「じゃあ、あすかちゃんが運営している掲示板見つけたら、記念カキコするよ」

後日、私が運営している掲示板に書き込みがありました。

『この前は楽しかったよ。今度はもっとゆっくり楽しもうね』

次にお仕事に入ったときはロングコースでのプレイでした。その話は、またの機会に。

勃起ができなくても、肌のふれあいだけで癒されるお客様も多かったです。指舐めはフェラの代わりに丁寧にやってあげると、すごく喜ばれました。視覚的にも性的興奮になるようです。指は神経も多いですからね。

もしも、勃起しない障害者のお客様についたときには、指舐めしてみてはどうでしょうか? 喜ばれると思いますよ。

それでは、また次回♪

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