バックナンバー

私はハグ屋さん

お客さんは障害者。そんな専門デリヘルでの経験が豊富な著者が書く、さまざまな男性との出会い

第32回 『人の欲望は空を越えて【前編】』

こんにちは。桂樹碧です。もうそろそろ夏終了してくれないかなー、とクーラーの無い部屋で耐えております。

「あすかちゃん、来週の火曜日に鳥取なんだけど、行ける?」

以前にも書きましたが、私はちゃんとした会社勤務経験、正社員の経験がありません。専門学校を中退して、風俗業界に入る前は、いろいろなアルバイトをしていました。長続きしたのは、今は無き某携帯会社の開通審査業務ぐらいなので、ちゃんとした昼職についた事がありません。

昼職と風俗を掛け持ちしている方、本当に尊敬しています。SMクラブに在籍していたときも、基本的にダラダラした生活が好きなダメ人間なので、昼職を探そうと思ったこともありませんでした。なので、時間に融通がきく私には、他の人より地方出張のお仕事が入ることが多かったと思います。

「鳥取って、砂丘のある鳥取ですか?」

「そう。あすかちゃんご指名のお仕事。日帰り出張になるけど大丈夫?」

「大丈夫です! 行きます!!」

「お客様は脊損。うちを使うのはこれが2回目。で、白のブラウスと黒のタイトスカート持ってる?」

「スカートは持っていますけど?」

「お客さん、イメージプレイを希望しててさ。女教師役。白のブラウスはこっちで用意しておくわ」

イメージプレイはSMのときにさんざんやったので、得意分野です。スチュワーデスのコスプレをして、飛行機が海面着陸した、という設定で、ボールギャグくわえさせられ、手足をグルグル巻きにされて、水風呂に沈められた経験もあります。あのときはさすがに命の危機を感じました。と、余談はここまで。

「あすかちゃん、普段はメガネかけているよね。メガネの方が女教師っぽいから、メガネかけていくと喜ばれると思うよ」

「分かりました。メガネかけて行きます」

「当日の飛行機は朝の便だから、羽田まで車で送るよ。詳しい時間はまた後で連絡する」

まさかデリヘルで、そして昼職をしない私に、飛行機を使っての出張があるとは考えてもみませんでした。お客様本人が東京に来られた方が安上がりになるんじゃないのかな? などといろいろ考えました。

お仕事当日の朝。店長が自宅まで車で迎えに来てくれて、羽田空港まで送ってもらいました。もちろん、白のブラウスとデリヘルバッグを渡されました。

飛行機の場合、避けて通れないのが荷物チェック。店長に大人のおもちゃの入ったデリヘルバッグは預けた方がいい、とアドバイスされたので預けましたが、中身については何も言われませんでした。もし、これを機内持ち込みにしちゃうと、X線検査でモロバレの辱めを受けるんですよね。乾電池が入っていると、その場で開けられたり……(苦笑)

早朝便なので、開いていた売店でお弁当を買って飛行機へ。

鳥取空港からは指定されたバスに乗って、お客様と合流する事になっていました。空港からバスで30分ぐらいの街でした。ちなみに、私の家からは全部で3時間半くらいの移動時間でした。バス停に車椅子の姿を発見。一発でお客様だとわかるのが、車椅子の利点ですね。

「○○様でしょうか?○○(店名)のあすかですが……」

「○○です。遠いところご苦労様です」

年齢は30代半ば。ちょっと冷たい感じのするお客様だなー、という印象を受けました。

「ホテルまでちょっと歩くけど、大丈夫?」

「大丈夫です」

2人並んで歩き始めました。私はいつものように、車椅子のお客様の右肩に手を添えて。

「八重桜が綺麗に咲いている公園があるんだ。そこで記念写メが撮りたいんだけどいいかな?」

この出張、季節は春でした。写真撮影はオプションなのですが、プレイ前なので無料で承諾しました。悪いことには使われないだろうと思って。でも、今になって思えば、わざわざ鳥取まで呼んでくださったお客様のリクエストなので、断れないプレッシャーを感じていたかもしれません。

ちなみに写真撮影のオプション料金は5,000円で、写メではなくデジカメで撮影されるお客様が多かったです。

「うわー!! 綺麗ですねー!!」

公園の八重桜は満開で、ピンクの綿飴のようでした。

「桜の下に立って。写メ撮るよ」

木の下に移動してポーズをとると、シャッター音が何回かしました。

「うん。いい記念写真が撮れた」

お客様は満足そうでした。その笑顔を見れただけで私も嬉しくなりました。そして、公園を離れて、ホテルを目指して歩いていたとき!

「○○さん、お散歩?」

突然おばあさんが話しかけて来ました。

「そうですよー。八重桜がきれいなんで写真撮ったんですよ」

「今が盛りだものねー。気をつけてなー」

サーッと血の気が引く思いをしました。話題を私に向けられたらどうしよう! しかし、そんな心配をする必要も無く、お客様は車椅子を漕ぎ始めました。私も慌てて歩き始めました。

「今の方、お知り合いですか? 2人でいるの見られちゃって大丈夫ですか?」

「近所の人だよ。女連れでもヘルパーさんだと思われるから心配しなくて大丈夫だよ」

「な、なるほど」

ちょっと胸がドキドキする体験でした。ホテルには公園から10分ほどの距離で、古いモーテルタイプのホテルでした。

今回はここまで♪ 次回「淫乱女教師」編をお楽しみに♪

ProfileBacknumber
■ この記事の感想を下のボタンを押して送ってください。
    (7)
    (0)
    (22)