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私はハグ屋さん

お客さんは障害者。そんな専門デリヘルでの経験が豊富な著者が書く、さまざまな男性との出会い

第8回 『電脳の海【後編】』

前回の続き、頸椎損傷のお客様とのプレイです。

「俺、頸損なの店長から聞いているよね?」

「はい」

「君のアソコいじり倒したいだけだから、俺の洋服はこのままでいいよ。着替えるのに時間かかるし。あ、部屋の暖房効いているから、上は何枚か脱ぎたいかな」

そう言って洋服を脱ぎ始めるお客様。脊損頸損だと体温調節ができないため、冬場は厚着する人が多いです。脱ぎにくそうにしていたら、手を貸す。必要以上に手を出さないでいました。

他のお客様の場合でも同じようにしていました。着替え一つでもリハビリになるからです。受け取った洋服を軽く畳んでソファーの上におき、私は裸になります。

「ちょっとだけシャワー浴びてきますね」

と言って一人、お風呂場へ。ザッとシャワーを浴びてプレイ開始です。

まずはギュッとハグしてキス。

頸椎脊損だと、腹筋と背筋が機能しない、体幹機能障害があります。ようは、体をまっすぐに維持できない状態で、体を傾けると前へ前屈したみたいにってしまいます。一度倒れてしまうと、なかなか姿勢を戻すのは大変です。

ですので、お互い寝転がった69の状態で、私はオマンコをいじられました。麻痺した指でたどたどしいけど、気持ちよいポイントに指が当たるときにはうめき声をあげました。あぁ、フェチとしての幸せ〜♪と、身をまかせていると……。

「俺さ、あるチャットでM女の知り合いがいるんだ」

何かを思い出したように話すお客様。

「私も以前はM女していましたよ。というか元々Mなんですけどね」

「ホームページにSMできるって書いてあったよね。で、その子がオマンコにピアス入れていてね」

ぎゃーーーーーーーーーーー!!!! 一瞬にして血の気が引きました。心臓バクバクしてしまいました。

「も、もしかして○○さん?!」

「当たりー!!」

すごく嬉しそうなお客様の顔。してやったり!という感じ。

○○さんとは以前、ネット上で知り合いメールのやり取りをしていて、車椅子の画像を送ってもらったことがありました。

「ぎゃー! リアルM女たんが、こんなんですいません!!」

うろたえる私を見ながら、ニヤニヤと楽しげに話してきました。

「お店のホームページ見て、多分この子は夏美(私がネットで使っていたハンドルネーム)さんだろうな、って思ったんだよね」

「実は今日、車椅子のカラーリングと障害部位で○○さんと似ているなーとは思ったんですよー!! まさかご本人とは思わなくて……」

「あはは。目立つ色にしてあるからね」

まさか、ネットの知り合いと仕事する日が来ようとは!

すっかりエロエロモードが冷めてしまったので、お客様と同じ方向に寝て、ギュッと抱きしめながら雑談タイム。

「最近、掲示板寂しいね」

「殆どの人がmixiに参加しちゃってますからね。○○さん、まだ参加していないですよね?」

「うん。招待してくれる?」

「是非! 家に帰ったら招待メール出しますよ」

「これから九州に出張なんだわ。帰って来たら即入会するよ」

これで○○さんもmixiユーザーに。今でもマイミクです。

いろいろ雑談していると、店長からの電話が入って、お仕事終了。急いでお客様が脱いだ上着などを渡して、私も手早く着替えました。

「夏美さんと遊べたなんて、本当、嬉しいよ!」

車椅子に乗り移って靴を履きながら言われました。

「こちらこそですよー。でも本当にタイプなのは△△ちゃんでしょ?」

「あはは。10時間のロングで入ったからねー。でも夏美さんのピアス見たかったしさ。夢が叶ったよ」

お客様は車椅子を手で漕ぎやすいようにグローブを着けて、ホテルを出る準備完了。最後に抱きしめあってキス。

外にはすでに店長が待っていました。駅までの道程で坂を下りなくてはいけなかったのですが、店長がそのまま車椅子を押し始めたんです。

「店長! 車椅子を逆向きにしないと、お客様転倒しちゃいますよ!!」

坂道の下りでは、車椅子を逆向きにして、バックするように下ります。

「も、申し訳ありませんでした!」

店長が詫びると、お客様は

「さすが、ヘルパー2級の資格を持っているだけのことはあるね。店長さん、彼女に駅まで車椅子を押して欲しいんだけど、いいかな?」

選手交代。私が車椅子を押すことになりました。

「今日はとっても楽しかったよ!」

いろいろな意味が含まれた「楽しかったよ」でした。

ではでは。また次回のコラムで♪

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