お客さんは障害者。そんな専門デリヘルでの経験が豊富な著者が書く、さまざまな男性との出会い
第3回 『せつない仕事』
こんにちは。桂樹碧です。寒い日が続きますが、みなさんお元気ですか? 今回は前回予告した通り、ちょっとせつない話です。
お仕事に入るとき、店長から必ずどういう障害の方なのかを教えてもらってから仕事に入っていました。たいていが脳性麻痺の方なのですが、時折、頸損や脊損といった私のフェチにストライクなお客様もいました。
障害者デリヘルで勤務始めたての頃。そのお客様は筋ジストロフィー(筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患)のまだ20代前半の男性でした。店からは「絶対に障害名をお客様に言わないように!」と言われていました。本人に告知していないんだろうか?と思いつつホテルへ。
お部屋に入室すると介護者の男性二人と、ベッドに既に全裸で横たわったお客様がいました。重度障害者の場合、介護者が二人付いて来るパターンも多かったです。特に、家では寝たきりの人、筋ジストロフィーや重度の脳性麻痺の人などなど。自力では寝返りもうてないお客様の場合ですね。たいはんが施設で生活しているお客様でした。
介護者に挨拶して、時間が来るまでロビーに居ますから、と言われてプレイ開始。
お風呂に入れないお客様のために、局部を拭く洗浄綿を持参しているので、それで丁寧に拭く。喉の部分に酸素吸入の呼吸器の装置がついており、夜寝ているときに酸素吸入している末期に近い症状。全身麻痺で動くのは口と目だけのようです。
かなり太めの体型で、車椅子に移乗させるのも二人がかりでないと無理。多分、施設暮らしなんじゃないだろうか、と推察しました。
私も裸になって、まずはフェラから。たいていのお客様は何をして欲しい、とおっしゃるのですが、彼は終始無言。私のことが気に入らなかったかな?と思いながらペニスをくわえていると、お客様が初めて口を開きました。
「おねえさん、俺童貞なんだ。だから中に入れてよ。童貞捨てたいんだよ」
はぁ? うちは本番無しのデリヘルですよ!! 本番迫って来る人も多かったですが、SMクラブに在籍していたときから、本番しない店では周囲の嬢がやっていても、絶対にやらない!と自分の中で決めていました。
「本番行為は禁止されていますので、できません!!」
ハッキリ断りました。でも、「おねえさん、フェラはいいから、中に入れてよ」と壊れたレコードのように、同じことを何回も繰り返し言うお客様。そこで本番に一番近い素股をするとこにしました。お客様が太っていて、お腹が出ているのでかなりやりにくかったことを覚えています。
それでもお客様は「おねえさん、頼むから中に入れて。童貞捨てたいんだよ」の連呼。そんなに本番したいならソープへ行け!!と思いましたが、この人の障害の重さだと、お店に入ること自体無理。大型の電動車椅子を使っていましたし、介護者二人でないとベッドに移せない。慣れてないソープのボーイさんだったら三人がかりになるでしょう。
また、障害者対応をうたっているソープは高級店になってしまい、普段は寝たきりで障害者年金で暮らしているとなると、気軽に遊ぶこともできないでしょう。
「俺、童貞捨ててから死にたいんだよ。だから、お願いだから中に入れて」
その言葉を聞いて心が揺れ動きました。これから先、人工呼吸器無しでは生きていけない状態になるのは、病名を告知されていなくても、ご本人が理解していること。今がこのお客様にとって最初で最後の童貞を捨てるチャンス。こうなったら最初で最後の女に女になってやる!!と決意を固め、ペニスにゴムを装着して膣に入れました。
お客様は少しも動くことができない体なので、私が腰を動かしました。
「おねえさんの中気持ちいい」
そして射精。ここまでかなりの時間を使いました。腰痛持ちの私には、かなりハードでした。
射精した後は、お客様は、また無口な状態に。こちらがいろいろ話しかけても応答無し。ありがとう、の一言も無し。ルール破って本番したというのに……。すごく心が痛みました。こんなことなら本番なんてするんじゃなかった、と後悔する気持ちになっていました。
終了時間が迫っていたので、素股のときに使ったローションを、濡らしたタオルで拭き取って、自分もシャワーへ。
シャワーを済ませたところで、時間終了。介護者の二人が部屋に戻って来たので、慌てて着替えを済ませました。名刺を交換してみると、S区の障害者の願いを叶えるNPO法人の方々でした。これからもごひいきに、と挨拶して部屋を出ました。
お客様が膣の中にペニスを挿入したい、とだけ考えていたら満足されたと思います。キスもしなかったし、お客様から見れば、童貞を捨てる道具にしか思われていなかったんじゃないかな、と思うとせつない気持ちになりました。
ハグ屋としては、失敗した仕事でした。これ以降、本番はどんなに頼まれてもやりませんでした。
それでは。また次回のコラムでお会いしましょう♪
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