- 本当にあった私の体験談 VOL.402
- 能天気カメラマンに涙した日
- 東京都 春 36歳
- 実年齢30代半ば過ぎ､吉原年齢20代半ば過ぎのソープ嬢です｡家庭の事情で20歳から顔出しでソープ嬢やってます｡こう言うと自慢げで嫌ですが､昔はかなりの人気嬢でした｡
デビューした店は超高級店｡若くて顔出しの私がお客さんを取るのは簡単でした｡あと､ソープ以外の仕事もしたり､風俗誌以外の雑誌に出たり､ほかにも活躍の場を広げて､どこでもちやほや｡
家庭の事情でソープで働くと決めたときは人生まっ暗でしたが､デビューしてみると周りから持ち上げられて気分もよく､だんだん自分も乗ってきて､なんだか私って幸せ？みたいに思えてきました｡
そんなときに出会ったのが､あるカメラマンです｡彼は風俗雑誌では有名なカメラマンで､彼に撮ってもらうと売れるという噂でした｡店長などからは､ポーズのつけ方とか厳しいと聞いていたので､会う前はちょっと怖かったのを覚えています｡
でも､会ってみるとけっこう能天気で､くだらないギャグ(のつもりらしい)を飛ばして､私が理解できずにポカンとしていると､いちいち｢今のはどうこう……｣とギャグの説明を始めるような､丁寧なんだか天然なんだか……って人でした｡
そんなことやっているのにプラスして､確かにポーズなどに厳しいので撮影にかなり時間がかか苦労しましたが､撮影後は私の人気に拍車がかかり､ずいぶん先まで予約が埋まるなど､店長も驚いていました｡
それからも､私がカメラマンとして彼を指名したり､彼から撮らせてよとか依頼があったりして､何度もお世話になったんですが､カメラマンの移り変わりは嬢より早いのか､彼の人気はそれほどでもなくなり……｡
だんだん私の人気と彼の人気に差が出始めたころ､彼からのモデル依頼を､私はめんどくさく感じるようになりました｡お世話になったので､依頼を受けはしますが､撮影中は心の中でイライラ｡
以前はポジティブにとらえていた能天気なギャグもウザくなり､厳しい要求で撮影時間が延び､予約のお客さんを待たせたりしたことも少なくなく､そんなのをを自分の心の中だけに留めておけば良かったんですが､私は周囲にも不満を漏らすように｡
私はまだまだ人気嬢だったので､周囲は私の味方｡彼との仕事はよっぽどじゃなきゃ入れられなくなりました｡そんな私も､年齢を経るごとに高級店に移籍､ハードプレイも許容､お茶も経験など､今では収入は全盛期よりけっこう減りました｡
家庭の事情が解決したらスパッと辞めようと思っていたソープも､将来のための貯金とかいいわけして続け､結婚してしばらく休み､そして子供ができたら子供のために財産を作ろうと復帰｡
今はフリーのあまりいない高級店で､指名客に支えられて一応ナンバーですが､さすがに年齢のためか､そして最近の経済状態のためか､顔を見せてくれなくなる本指がポロポロと増えています｡
このままのパターンだと､数年後は｢熟女大衆店に移籍とかかな｣なんて想像しながら全盛期を思い出していたら､また彼に撮ってもらおうという考えが頭に……｡久しぶりに彼に撮影をお願いしました｡
昔に比べてぜんぜん暇な私は､撮影時間の融通がききます(笑)｡彼はあいかわらずポーズにこだわり､あいまのしゃべりも以前のままの能天気｡多分､私がずっと彼を避けていたのを知っていたと思いますが､ぜんぜん昔と変わらず接してくれました｡
そんな彼にふれていると､嬉しさだったり､私の以前の傲慢に対する反省だったり､あまりにくだらない彼のギャグだったりが混ざり合って､自然と涙が浮かんできて､泣いてしまいました｡
それを見て彼､｢何？ 花粉症？｣ですって(笑)｡ホント､この天然ぶりに癒されました｡
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- らぶぼにーた編集部
体験談が掲載された春さんには商品券をお贈りします｡サラッと流すようなオチがクスッと笑えるとともに､心温まりました^^ そんないい話の後ですが､5月のテーマは｢私が見た新人いびり・いじめ｣｡みなさんが見たお局嬢の新人いびり､あなたが見た(した…？)ライバル嬢の足を引っ張るいじめなど､女の職場ならではの怖～い話をメールしてください！
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なんとなくわかる(笑)
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