

- 東京都 南波浪 23歳
- 私が初めて働いたソープにいた女の子の話です。先日、ネットか雑誌の取材を受けていたら、ライターさんから彼女が業界を上がったという話を聞きました。彼女は、店の女の子からウザがられていたようですが、私は嫌いじゃなかったんです。
私は、20歳になったのを機にソープに入店しました。理由はまあお金のためです。お店は高級店なんですが、部屋持ちは一部の女の子のみで、私を含めて多くが集団待機でした。その彼女は、店の看板の子で、もちろん部屋持ちでした。
でも、よく待機室に来てみんなと一緒に時間を過ごしてたんですよ。よくしゃべる子で、と言ってもうるさいわけじゃなく話好きなんですね。自分がソープに入った理由とか実年齢は三十路突入済みとか買い物の話とか。
私は入店前、いろんなお店のHPを見てて、載ってる女の子の年齢はホントだと思ってたので、三十路の人がいるとは……、とビックリしたのを覚えています。へたしたら私とひとまわり違うのか〜、なんて人生経験の差に思いを馳せてみたり。
ラストの接客が終わって、帰り支度をしていると、彼女が「家どっちなの?」と話しかけてきました。答えると、私のアパートは彼女の帰り道らしく、「私の車に乗ってかない?」と誘われました。
断る理由も無いので「ありがとうございます」とお礼を言い、彼女と一緒に駐車場へ行くと、私も知ってる海外の有名高級車がありました。それが彼女の車だったんです。お金に困ってソープに入った私にしてみれば、なんて無駄づかいを……、といったところ。
彼女は、車を運転しながらもしゃべり続けてました。今日のお客さんの話、以前に接客したコワイ客の話、変態の話、ストーカーの話など。でも、そんな話はソープに入った私にしてみればいい勉強でした。
また、車やマンションを買ったときの話は、なかなか勉強になりました。彼女は、お店の関連会社に社員登録されているらしく、そちらの身分があるから高いローンも通るのだそうです。
その会社に登録されるのは、お店の中でも実績のある女の子だけで、「お店でがんばれば、マイナスな事情がある子でもマンションや高い車をローンで買えるんだよ」って教えてくれました。
後日、出勤するとほかの子に、「こないだは車の中でウザい話されたでしょ?」と聞かれました。どうやら、私がなかなか勉強になったと思った話は、別の子にとってはウザい話だったようです。
「う〜ん、経験談で私的には勉強になりました。アハハ〜」と適当にごまかしておきましたが、明るくいろんなことを教えてくれる彼女のことを、恨めしく思ってる女の子もいるんだな、と認識しました。
私が素直に彼女の話を聞けたのは、10年以上の歳の差や、素人でソープに入った知識の無さがさいわいしたのでしょうか。彼女は、「ソープで働ける時間は限られてるから、稼げるうちに稼いで買えるうちにマンションなんかは買っとかないとね!」とも言っていました。
私もしばらくソープから離れられそうにないので、ここにいる間はなるべくウマく立ち回って、将来のためになるものを得たいと思います。そんな、私にとっては良い先輩の話でした。
もしかしたら嫌味なお局様のひと言も、受け取り方次第では良い教訓になるのかもしれませんね。