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- 風俗に流れ着くまで、すっごく気分が重かったの。
私、もともと求人雑誌の編集をやっていたんです。求人雑誌っていえば、すっごい有名なところがあるけど、そこじゃなくてライバルの会社に在籍していたのね。
そのころは企画を任せてもらったり、やりたいことがやれて楽しかったな。
「帰りが遅くなったときに泊まるラブホテル特集」なんてメチャクチャな企画を通してました。取材で一人でラブホテルに何泊もするの(笑)。そこまでしなくてもいいだろ、っていわれそうだけど、何事も突き詰めたい私はそこまでやっちゃうんです。
まさか、そのとき、風俗嬢になってホテルを利用しようとは思いもよりませんでした。
そのあと職場結婚して、旦那といっしょに事業を始めたんだけど…。私はもともと乗り気じゃなかったんです。でも旦那がものすごく一生懸命だったから手伝うことにしたの。実際にやってみたら、案の定うまくいかなくて…
それから資金繰りに追われる毎日。親戚に保証人になってもらって借金して…それでもお金がなくて、夢に毎晩出てくるの「従業員の給料どうやって払おうか」って頭をかかえる夢が…
私は人に頼れる性格じゃないから、ギリギリのところまでがんばっちゃうんです。だから借金も膨らんじゃって。
駄目だったら、すぐにギブアップしたほうがいいですね。従業員の給料は、借り入れしてなんとか払ったけど、事業の失敗がきっかけで夫婦仲は悪くなるし、1年後に離婚です。でも私はまだ親戚の借金を払わなくちゃいけなくて…。
金利がかさむわけじゃないから、ぼちぼち返していけばいい、って周りはいうんですけど、少しでも早く心の負担を取り除きたかったんで…それで決心して風俗に来たんです。
風俗で働くようになってから、本当に心が穏やかですよ。悪夢も風俗に入ったのを境に全然見ないようになりました。支払いに追われる日々から逃れられたのが、すごくうれしいです!