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キッド
- 【著者】木内一裕
- きっかけは、近所の煙草屋の少女からのSOS。ちっぽけなビリヤード場を経営する20歳の兄ちゃんが出向いてみると死体が一つ。その死体を巡って、事態は命を懸けた戦いへと発展してゆく。放火、リフォーム詐欺、死体遺棄、誘拐!? 恐るべき小僧が過剰な人助けに奔走する痛快・疾走エンターテインメント登場。
ビーバップの著者による小説
こんにちはー、甘宮あまみです。残暑が厳しいですね。先日、少し涼しいと思ってエアコンをつけずに寝たら、脱水気味で朝を迎えました。のどが渇いてるくらいならいいんですが、体フラフラ、ペットボトルを持つ手がブルブル震えるという初体験の症状……。
うわ何コレー! とびっくりしました。その日は体がだるくて、ずっと寝ていられるなら寝てたかったです(涙)。みなさんも、寝ている間に脱水症状や熱中症、なんてことにならないように、ご注意を!
さて、今回紹介するのは小説『キッド』。著者の木内一裕さんはなんと、漫画『ビー・バップ・ハイスクール』の著者、きうちかずひろさんなのです! え? 『ビー・バップ』を知らない……? 不良高校生、ヒロシとトオルの波乱万丈な日常を描く、ヤンキー漫画の金字塔ですよ!
でも、確かに若いみなさんは知らないかもしれませんね……(汗)。断っておきますが一応、私も『ビー・バップ』全盛期にリアルタイムで読んでたわけじゃないですよ! とにかく、かなり売れた漫画なんです。
しかし、そんな漫画を無期限休載にして、活躍の舞台を小説に移した木内さん。先日、本屋さんで本を物色していると、今回紹介『キッド』の、文庫版を発見しました。そして、木内さんのデビュー小説『藁の楯』文庫版の帯には、映画化の文字が!
『藁の楯』は、警察の任務のやり切れなさを描いた物語。ふたりの女児を殺したロリコン犯人に、超お金持ちのおじいさんが十億円の賞金をかけたことで、多くの人が犯人を殺そうとするんですが、法治国家でそんなことさせちゃダメと、警察が犯人を守ることに……。
ちょっと重めのストーリーです。対して『キッド』は、かなり娯楽性が高いお話。主人公の麒一(きち)は元ヤンキーの20歳で、祖父から継いだビリヤード場の店長です。お店が入るビルが火災にあって、修繕のためにリフォーム会社で働く高校時代の先輩を頼ったら詐欺られて……。
その先輩を捕まえようと行動を起こすと、すぐに別の殺人事件に巻き込まれます。死体が誰にも見つからないように、埋める羽目になった麒一。しかしその死体を探すコワーい組織が現れて、麒一はどうなるのか……。
頭が回って度胸もある若きアウトローの麒一が、ワルモノを向こうに回して大立ち回り! 笑いあり、アクションあり、ミステリー要素あり、ちょっとした恋もありで、一気に読める、というか読むことを中断したくなくなる小説です。
どうせ映画化するなら、『キッド』のほうにしてほしかったです。ちなみに映画化される『藁の楯』の出演者は、主人公の警察が大沢たかおさん、その相棒に松嶋菜々子さん、犯人のロリコン野郎が藤原竜也さんです。
松嶋さんの役、小説では男性なんですよ。そこが映画では女性に置き換わってるのは、主に映画に客を寄せなきゃだからでしょうね。『キッド』は全編に渡って登場するキャラは麒一と敵の強い男の二人。
敵を女性に置き換えるのはどうかと思うし、かつ麒一は20歳だから若い俳優を使わなきゃダメということで、映画化するには冒険なのかもですね……。でも、小説を読むだけでも、スピーディーな映画を見ているような疾走感があります。
ぜひ、いま読む本を探していたら、『キッド』を手にとってみてください。
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紹介者のプロフィール
【カモちゃん】
小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。
【甘宮あまみ】
漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。


