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紗綾 SAYA
- 【著者】リシャール・コラス
- お気に入りの喫茶店で、自分の時間を楽しんでいた主人公の紗綾は、見知らぬ中年男性にフランス語で話しかけられる。彼はどう見ても日本人。話すと、二人は同じ時期にフランスで暮らしていたことが判明する。「運命って信じない?」援助交際をきっかけに、本当の愛と思えるものを見つけてしまった紗綾は……。
大切な人をメモりたくなる小説
こんにちはー、甘宮あまみです。オリンピックの男子サッカー3位決定戦、残念でした。でも、完封で負けたので、かえってすがすがしかったと思います。「いや〜、負けた負けた。寝よう」って感じでしたよ、私は。
さて、今回紹介するのは小説『紗綾 SAYA』。もっとも興味を引く言葉で表せば「援助交際モノ」です。私は読んだ後、便利な現代社会に流されて、自堕落になっていた自分に反省しました。
著者はなんと、あの「シャネル」日本法人の社長。フランス人のリシャール・コラスさんです。現代日本の問題である援助交際を外国人が小説にするなんて、ちょっと勘違いした内容になってるんじゃないかな、と私は最初思いました。
でもリシャールさん、 日本語がお上手! この小説、まずはフランス語で出版されて、それをリシャールさん自らが日本語訳したそうです。そして内容は、これといって外国人特有の勘違いを感じません。というのも彼、日本に40年近く住んでいるんだとか。
ストーリーは主に、主人公の女子高生「紗綾」、援交相手のおっさん「神脇」、その奥さん「香里」の視点で進みます。おもしろいのが、奥さんの香里の視点では、文章が「ですます」調に変わるところ。
読んでて最初だけ違和感ありましたが、3人それぞれの視点でストーリーが進むので、「ですます」調のほうが奥さんの気持ちに入り込みやすいんだな、とすぐに納得しました。フランス語では「ですます」、どう表現されてたんでしょう。女性語を多用したのかな?
まあ、それは置いといて、援助交際のカップルである紗綾と神脇について少し話すと、神脇はデパートで高級婦人服を担当してるんですが、リストラ対象になってしまいます。そのため気が動転して、ふらふらと街をさまよっていると紗綾との出会いが……。
紗綾は、援助交際と言っても派手にしているわけでなく、優等生タイプです。ではなぜ、二人がくっついてしまうかというと、いくつかの偶然と二人の共通項に、紗綾が運命を感じちゃったんです。最初は割り切っていたものの、どんどん神脇にハマッていく紗綾。
そして神脇は、常識あるおっさんなんですが、10代の女の子の魅力には勝てず、紗綾との関係に落ちていきます。リストラで職もなくなったのに、はたして紗綾との関係は維持できるのか……、というところで物語はクライマックスへ突入。
真面目に高級婦人服を扱ってきた神脇、努力は報われるんだな〜、としみじみしたらまた一転しちゃいます。そのきっかけは携帯。まあ正直、悲しいエンディングになっちゃうんですが、携帯で同じような展開になる危険性は、みなさんにもあります。
私はときどき、携帯でうんざりすることがあります。特にイヤなのが、待ち合わせに普通に遅れること。携帯を持つ前は、待ち合わせ場所をきっちり決めて時間前に行ってたものですが、携帯を使うようになってからというもの、なぜか待ち合わせが適当になりました。
良くないことだと思いながらも、ついついやってしまって後悔するんですよね。携帯などのツールで、人と人は広く結びつくことができるようになりましたが、その便利さに頼っていると、せっかくの関係は途切れてしまうかもしれません。
もうすぐ防災の日。大切な人とのつながりは、携帯のみに留めることはやめましょう! ただし、いつでも切りたい人との関係は、携帯のみで管理しておくのがいいですね(笑)。
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紹介者のプロフィール
【カモちゃん】
小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。
【甘宮あまみ】
漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。


