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家のない少年たち
- 【著】鈴木大介
- 詐欺、闇金、美人局、架空請求、強盗……。家族や地域から取り残され、虐げられ、居場所を失った少年たちは、底辺で仲間となって社会への復讐を開始する。だが大金を手にしてもなお見つからない、居場所。彼らはそれを探し続ける。取材期間10年、語られなかったこの国の最深部を活写する、震撼ノンフィクション。
全力で使われたくない
こんにちはー、甘宮あまみです。5月後半のこのコーナーで紹介した小説『芸人交換日記 〜イエローハーツの物語〜』が舞台化されるそうです。主人公の漫才コンビを演じるのは、俳優の田中圭さんとお笑いのオードリー、若林さん。
若林さんはまさにイメージ通りで、嬉しくなって思わず田中さんと若林さんのインタビューが載っている雑誌を買ってしまいました。そして、その雑誌で久しぶりに名前を見たのがライターの鈴木大介さん。
著書に『家のない少女たち』『出会い系のシングルマザーたち』がある、けっこう風俗に近い部類の本を書いている人です。そして今回紹介するのが、上記のシリーズ的な最新刊『家のない少年たち』。
おもしろかったです、と言ってしまっては不謹慎なことも書いてある本ですが、正直、下手な小説よりおもしろいです。内容は、違法行為で集まったお金を奪うことを仕事としていたグループの話を中心に、不良たちの日常と過去が語られます。
小説のような書き方をしている部分が多いので読みやすいんですが、そのためにちょっとリアリティーが薄く、これ作り話じゃないよね……? と疑念を持ったりもします。そこが、下手な小説よりおもしろいゆえんでしょうか。別に作り話でもいいや、って楽しく読みました。
この本の中心となるグループは少年院で出会った4人組。彼らが少年院から出て最初の犯罪で稼いだ後、違法じゃない携帯がほしい! というときに人脈の一人からもらったアドバイスが印象的でした。
「そういう時は、全力で女使うんだよ」「オメーら稼いだ金使ってキャバとかでブイブイ遊んでんだろ。そこで落とした女の名義で携帯作ってもらうんだよ。当面のヤサも女の名義で借りてもらえばいいじゃん」
この本の語るところによると、これってある部類の男性には共通した考え方のようです。逃亡犯が出会い系サイトで探した女の子と共同生活をしたり、首になったホストがネットの掲示板で家に住まわせてくれる女の人を見つけたり……。
結果、けっこう心温まる展開になって感心もしたんですが、現実には不幸になるほうが多いんだろうな、と心を引き締めずにはいられませんでした。
4人組の生い立ちや犯罪エピソードのほか、振り込め詐欺や建築機材の盗難の仕組み、援デリや闇金、ホストなどなど、読んでいて「ほほう」と興味深い話題が盛りだくさん。00年代のニュースを騒がせた犯罪を、気軽に知ることができる一冊です。
私は、この本の内容に作り話が入っていたとしても、だまされた! とは思いません。繰り返しですが下手な小説よりおもしろいので、もっと売れてほしいな、と思います。でも、この本に出てくる不良たちに、全力で使われるのは嫌ですね〜。
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紹介者のプロフィール
【カモちゃん】
小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。
【甘宮あまみ】
漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。


