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悪人
- 【主演】妻夫木聡
- 同名の人気小説を原作とした映画。土木作業員の祐一は、年老いた祖父母とともに暮らしている。生い立ちが原因か人付き合いに難がある彼。これといった趣味も無く、家と仕事、携帯サイトで出会った女性に会うため他県を行き来する日々だ。そんな祐一を変えたのが殺人。そしてその後に受信した別の女性からのメールだった……。
★悪人を刺激しちゃダメ
こんにちはー、甘宮あまみです。先日、ファストフード店にいたらすごい光景を目撃しました。隣のテーブルに女子中学生らしき4人組。1人の携帯に見知らぬ番号から着信があったらしく、折り返してみようと。
折り返したら、出たのはしゃべり方に特徴のあるおばあちゃんだったらしく、その声を聞いて彼女たちは爆笑。おばあちゃんなので、入れ歯が合わなくなったか舌の回転が鈍ったか……って感じなんでしょうけど、中学生には分からないんだろうな〜。
で、あろうことか彼女たち、それから執拗におばあちゃんにイタ電。ここには書けない暴言を吐いてました。しかもその現場に、ファストフード店の店員が来て、注意するかと思えば中学生が注文した品々を持って「ごゆっくりお召し上がりください」って!
なんのコントかと思いました(笑)。しかしあんな女子中学生がいるってことは、今は懐かしき「ワン切り」も、けっこう効果あるかもしれませんね。あの子たちが、携帯の使い方を間違えた……と気づくのが、ヤバい事件に巻き込まれた後でないことを祈ります。
さて、今回紹介するのは映画『悪人』。出会い系サイトをきっかけとした殺人事件を軸に、現代日本の日常にある数々の問題を目の当たりにできます。たとえば、被害者の過去を衝撃的に報道、加害者家族への執拗な取材、詐欺、希薄な人間関係などなど……。
これらの問題や人間の暗い部分、登場人物の生い立ちや関係が絡み合って、深い物語が展開されます。同名の人気小説が原作なんですが、私は読んでないです。映画を見て、これ、原作小説はもっとおもしろいんだろーなー、と思いました。
主役の殺人犯、祐一を演じるのは妻夫木聡さん。祐一と一緒に逃げる光代を演じた深津絵里さんは、海外の映画祭で最優秀女優賞を受賞したことでも話題になりましたよね。でも、私がひきつけられたのは祐一に殺される女の子、佳乃。
彼女がすごくビッチでいいんです。表の顔と裏の顔を使い分ける悪人。なのに小悪人にハマって傷つき切れて、最後は殺されちゃいます。そして彼女の父親が善人。この作品の中では、彼女たち悪人と小悪人、善人の関係が一番興味深かったです。
殺人犯の祐一と光代の関係には、描き方にもうちょっと必然性がほしかったです。特に祐一が光代にハマる理由を、もっと納得できるように描いてほしかった……。それには水を求める砂漠のような切実さと切迫が必要で、時間が限られた映画内では難しかったのかも。
または私が、祐一の知る悲しみやさみしさを知らないので、共感が薄いのかもしれません。それとも単に男女のマインドの問題かも。そういえば祐一みたいな男性って、きっとリアルにたくさんいると思います。
家庭に問題があって、人付き合いが下手で、じいちゃんばあちゃんの世話をして、さみしくて……ってけっこう私に近い(笑)。いやいや、もしかしたら現代社会、お客さんに祐一みたいな人がいてもおかしくないので、参考に見ておくといいかもです。映画『悪人』。
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紹介者のプロフィール
【カモちゃん】
小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。
【甘宮あまみ】
漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。


