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心に残る一作
リアル
【作者】井上雄彦
超人気バスケ漫画『スラムダンク』の井上雄彦が描く、車椅子バスケをストーリーの中心に置いた漫画。ナンパした女の子をバイク事故で下半身不随にしてしまった野宮、将来を有望された陸上選手でありながら右足を失った戸川、交通事故で下半身不随になった現実を受け入れられない高橋。三者三様の悩みと成長を追う。
こんにちはー、甘宮あまみです。昨日、おもしろいメッセージを受け取りました。前々回も話題にしたネットのコミュニケーションサービス「ツイッター」で、アメリカの女の子から、私個人宛にメッセージが。

彼女もアメリカで漫画を描いてるんですが、アメリカでは扱ってくれる出版社がないらしく、「いい日本の出版社を知らないか?」と……。彼女が描いてる漫画のジャンルとは、Hentai。そう、変態です(笑)。正直、私はHentaiというジャンルをよく知りません。

なのでエロ漫画方面だと勝手に判断したんですが、エロ漫画専門の出版社はいいかげんなところがあって外国人にはオススメしづらいので、女性に人気でソフトにHentaiを感じさせる雑誌を出している出版社を紹介しておきました。

日本では「ジャパニメーション」や「クールジャパン」というキーワードとともに、日本の文化はスゴい、みたいに逆輸入的に紹介されますが、実のところ海外での需要が小さくないのは、HentaiとかYaoi(ボーイズラブ)だったりもするようです(汗)。

さて、今回紹介するのは、そんなジャンルも含む日本の漫画界を代表する作家のひとり、井上雄彦の『リアル』です。主要なキャラクターは3人の男の子。一緒の高校でバスケ部に所属していた野宮と高橋、車椅子バスケをやっている戸川です。

野宮はヤンキーキャラですが、バスケに対する愛情は多分ナンバーワン。ナンパした女の子をバイク事故で下半身不随にしてしまい、罪の意識にさいなまれますが、根が能天気だからか、不器用にも女の子に許してもらおうと努力します。

高橋はバスケ部ではキャプテンですが、バスケに対してアツい愛情を抱いている野宮を嫌っています。勉強も運動もできて、女の子にモテて、世渡り上手な自信家。そんなところが災いして、交通事故で下半身不随になってしまいます。

戸川は前のふたりと違って、元々はバスケの選手じゃないんですが、右足を切断しなきゃダメな手術を受けて、車椅子バスケを始めます。スゴく負けず嫌いで、そのアツさのあまり所属するチームでギクシャク……。そんなときに野宮と出会います。

ヤンキーキャラの野宮と負けず嫌いの戸川が出会ったらもう、行き着くところは勝負(笑)。勝負後も反発しあうふたりですが、ともにバスケに対する愛情が大きいのと、野宮が能天気なのでなんだかんだと一緒に行動する仲に……。

そして高橋。彼は自信家だったこともあり、下半身不随になった現実を受け入れられません。交通事故にあうまでは、読んでいてかなり嫌なキャラだった高橋ですが、私は彼により感情移入してしまいます。

私も、高橋と同じ状況になったら、まずは現実を受け入れられないでしょう。そして、まあなんと言うか、年を取ると(笑)、体の機能が衰えていくおじいちゃんやおばあちゃんなどと出会うこともあり、将来、自分も衰えるだろうことがリアルに想像できます。

そんな機能を、一気に失った高橋の状況を思うと、彼が気にならずにはいられません。きっといつか車椅子バスケを始めるんでしょうが、まだまだ高橋は病院で悩む日々……。早く目標を見つけてほしいのと同時に、私も早く現状を抜け出さなくては、と思います。

2009年11月26日に『リアル』第9巻が発売です。気になったみなさんは、まずは第1巻を手にとってみてください!

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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。