心に残る一作
- いばら・ら・ららばい
- 【著】雁須磨子/講談社
- 美人でスタイル抜群だけど、人づき合いがヘタな眼鏡女子の茨田(いばらだ)さんを中心とした、4人の女の子の恋物語。登場人物それぞれのコンプレックスと、誰の日常にも起きそうなシチュエーションを絡めたストーリー展開が秀逸だ。作者の感受性の高さ、それらを漫画に落とすウマさに注目。
きっと超共感の恋愛漫画!どの街にもかなりの確率である「この店、商売成り立ってるの?」みたいなお店がポツポツと、その間に「うわ入ってみたい!」みたいな魅力的なご飯やさんや、おしゃれっぽいカフェとかバー??みたいなお店が……。 街そのものが都会都会してないので、お店がおしゃれでも緊張せずにすみました。ご飯を食べて駅まで歩く帰り道、住所表示を見たら「白金」でしたよ。「うわ、もしかしてシロガネーゼの白金??」とそっちになぜか興奮しました。 さて、そんな恵比寿のしょぼくれた街を歩くように、肩肘張らずに読める恋愛漫画が、今回紹介する『いばら・ら・ららばい』です。登場人物の男が全員カッコよくてお金持ちのボンボンみたいなありえない話ではなく、読んでてかなり共感できると思います。 主人公の茨田さんは超美人だけど人づきあいがヘタな24歳フリーター。この漫画、登場人物の心の動きが多く描かれていて、そこが読んでいて共感を呼びます。自分の気持ちをウマく周囲に表現できない茨田さんが、ひとり思い悩む姿にはかなり萌え〜。 続いて、茨田さんのバイト先の社員OLの度上(どのうえ)さん。彼女の存在は、読者の多くを占めるであろう一般的女子を表現していると思います。セクハラ上司を心の中ではウザく思ってたり、憧れの先輩がいたり……。 ストーリーはまず度上さんの恋模様からスタート。最後にほんわかニヤニヤさせるニクい恋物語です。あと、読んでて感心するのが、茨田さんや度上さんが仕事をしてる姿が多めに描かれていて、そういう日常にある恋物語だから、共感しやすいんだと思います。 3人目の女の子は、自分のルックスにかなり自信がない平良(ひらら)さん。それが原因のひとつで、恋に臆病な子です。彼女のストーリーで注目してほしいのが、脇役のひとりでギャルっぽい橋(はし)さんです。 「あ〜、いるいるこういう子!」「ちょっとうざい……」って感じのまさにイマドキの女の子なんですが、かなり憎めないいいキャラ。消極的な平良さんとの対照としての役割があり、平良さんの心のうちを描くのに効果的なキャラです。 4人目の女の子は、超可愛くて黙ってても男が寄ってくる石田さん。正直、彼女だけには共感できないのが悲しいのですが……、モテる子はモテる子で、いろんな悩みがあるんだろ〜な〜、みたいな。 読んでて、自分がどの登場人物に当てはまるか……というのも楽しみのひとつだと思いますよ。私はかなり平良さんタイプですね。読後は「平良さんには幸せになってほしいわ〜」って思ったんですが、それは自分に対する応援かも……(苦笑)。 ほかにも、現代社会に「いるいる〜」というキャラや、「あるある〜」みたいなエピソード盛りだくさんなので、ぜひ読んで共感してください。そして読んだ後は、著者の雁須磨子(かり すまこ)さんのほかの作品も読みたくなると思います! 作者の才能の高さをヒシヒシと感じる漫画ですよ! |




