心に残る一作
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サクリファイス
- 近藤史恵/新潮社
- チームのエースを勝たせるため、ほかの選手が自分を犠牲にする自転車ロードレースの構造をうまく生かしたミステリー小説。主人公の白石誓(しらいし ちかう)は自分を犠牲にすることを苦にしない優等生選手。対して、同期の伊庭はエースを目指す野心家だ。そして、二人が所属するチームには不動のエースがいた……。本作は、書店員が「読んで面白かった」「オススメ」「ぜひ売りたい」と思う本に贈られる「本屋大賞」2008年の第2位。
自転車でミステリー!?でもさらにビックリなのが、体重3キロ減という言葉から感じるイメージ以上にウエストが細く見えるようになったこと。実寸はあまり減ってないんですが、横っ腹の肉がパッと見で分かるくらい減りました。なんか、嬉しいです! さて、今回紹介する『サクリファイス』は、日本の自転車ロードレースチームをストーリーの中心にしたミステリー小説。最近、私が移動に自転車を使っていることもあり、思わず買ってしまった一作です。 でも、私がオススメしなくてもこの本は面白いです。なんと言っても、本屋の店員さんが投票で決める「本屋大賞」2008年の第2位作品ですから。また同じく2008年に、優秀なミステリー、ハードボイルド小説に授与される「大藪春彦賞」も受賞しています。 でもきっと、自転車ロードレースを舞台にしたミステリーって何……、と疑問のみなさんも多いでしょう。私も正直、読む前はストーリーが想像できませんでした。でも、読んでみたらストーリーの5分の4くらいは青春小説です。 主人公のチカ(白石誓)は、社会人のチームではまだまだ新人選手。彼のチームには、日本でトップ選手の石尾がベテランのエースとして君臨しています。そして、白石の同期の伊庭は才能あふれる次のエース候補。若いながらもチームでは石尾に次ぐ存在です。 自転車ロードレースは、簡単に言えば自転車のマラソンって感じですが、マラソンと違うところはチームで走る団体競技。そして、ひとりのエースを勝たせるために、ほかの選手はエースの風よけになったり、ほかのチームのペースを乱す走りをしたり……。 とにかくエースを勝たせるために自分を犠牲にしなきゃダメなんですよね。ここにドラマが生まれます。だって、社会人で自転車競技を職業にできる実力の持ち主なんて、自己主張が強そうじゃないですか! たとえば、チカのチームでエースを張る石尾は30歳代前半で、いまは不動のエースながらも、数年後には力も衰えるんじゃ……みたいなベテラン選手。そしてチカと同じく新人だけど、石尾に並ぶくらいの実力を持つ伊庭はエースの地位を狙うバリバリの野心家。 で、チカはスポーツ選手には珍しく、自分を犠牲にすること、エースをサポートすることをいとわないタイプのおとなしい選手なんです。ほかにも、石尾のひとつ年上だけど、ずっと石尾をサポート支えてきた選手とか、石尾にひそかに不満を持つ選手とか……。 こういういろんなキャラと、サポートが犠牲となってエースを勝たせる自転車ロードレースの特徴が絡み合って、ストーリーが進みます。前述したように5分の4くらいは青春小説ですが、ミステリー要素が前面に出てくる残りの5分の1は驚きの連続! 読み始めたら最初に明らかになるので言ってしまいますが、ストーリーの導入部分はいきなりレース中の死亡事故シーンです。この事故は、自分を「sacrifice(サクリファイス:犠牲)」にしたための結果か、それとも……? ちなみに、個人差はあるとおもいますが、5時間あれば全部読めてしまうくらいの文章量です。ぜひ、サクッと読んでみてください! |




