心に残る一作
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竹光侍
- 漫画:松本大洋、原作:永福一成/小学館
- 『ピンポン』『青い春』『鉄コン筋クリート』と映画化された作品が多い人気漫画家、松本大洋が江戸時代を描く。主人公はつかみどころの無い不思議な雰囲気を漂わす侍、瀬能宗一郎(せのう そういちろう)。普段は町人などと親しく交わる温厚な彼だが、いざ戦いとなると……。物語とともに、瀬能のナゾが解き明かされていく。
想う女っていとおしいまあいいじゃないですか、やってるのは私なんですから(笑)。 本屋さんで見かけたことがある方もいると思いますが、骨気の本を見ながらやってます。あと前の日曜日に自転車を買いました。マウンテンバイクの街乗り用って感じのクロスバイク。かなり楽しいです。もしかしたらやせるかも……。 さて、そんな健康トークとは関係なく、今回は漫画『竹光侍(たけみつさむらい)』を紹介します。2006年に始まって、2009年4月に第6巻が出ました。作者の松本大洋さんは日本のみならず、海外にもファンの多い人気漫画家。 窪塚洋介さん主演で映画化された『ピンポン』、松田龍平さん主演で映画化された『青い春』、嵐の二宮くんと女優の蒼井優さんが声優をしたアニメ映画『鉄コン筋クリート』の原作者です。 これまでは、スポーツや架空の世界を描いた漫画が多かったんですが、今回の『竹光侍』は江戸時代。しかも、初めて原作者を迎え、これまでと絵柄をガラッと変えた意欲作です。ちなみに原作の永福さんは、昔っから松本さんと親しい漫画家さんです。 主人公の瀬能は信濃(現在の長野県)出身の侍ですが、今は仕える主人のいない浪人、つまり侍のニートで、江戸で暮らしています。そして彼、浪人といえど侍なのに、侍のシンボルである刀を売ってしまいます……。 代わりに竹で作った模造刀「竹光」を腰に差しています。だからタイトルが『竹光侍』なんですね。物語では、温厚な性格なのになぜか敵に狙われてしまう瀬能の戦いを追いながら、彼に隠されたナゾが明らかにされていきます。 中でも私が好きなのは、瀬能を想うふたりの女の存在。彼女たちの想いが、かなってほしいな、と思います。ひとりは、瀬能が売った刀に宿る霊「国房(くにふさ)」です。彼女、さすがに霊だけあって妖艶で美しい! 私がもし、着物コスプレするなら国房を参考にしたいです。あ、瀬能が刀を手放したのは、何も霊が怖いからじゃないですよ(笑)。瀬能も国房のことが好き(まあ恋愛対象じゃないんですけど)なんですが、とある理由から手放してしまうんです。 そして、瀬能を想うもうひとりの女は、矢場(やば)の女主人、お勝(おかつ)。矢場とは、弓矢で的を狙って遊ぶお店なんですが、実はその店の女従業員と客が……、なオトナのお店です。今で言うなら、ソープではなく本ヘルや連れ出しパブ、という感じでしょうか。 お勝は、瀬能と同じ信濃出身なんですが、子供の頃に売られて今では矢場の女主人。彼女のセリフで、親には「金勘定と男の引き方しか教えてもらえなかった」みたいなのがあって、それを読んだときはすごくやるせなくて、胸がギュッと縮まりました。 だけど、瀬能と出会って恋心を抱き、彼を想うお勝はまるで少女のようにいじらしく、いとおしい。物語の中に、お勝が瀬能に字を習うエピソードがあって、ここは泣きどころです。恋する商売女の切なさに、息が止まりそうになります。 瀬能は多分、お勝の気持ちに気づいているはずなんだけど、はぐらかしてるのか、もしかしたら、拙者と一緒になったら不幸になるから……、みたいにあえて拒否してるのか。とにかく、誰かを想えば女は輝きを増す、という話でした。『竹光侍』、オススメです! |




