心に残る一作
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サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇
- 郷田マモラ/双葉社
- 2009年5月21日から始まる裁判員制度をテーマにした漫画。ストーリーにミステリー要素があり秀逸!
主人公の相場圭一は日雇い派遣で働くネットカフェ難民。そんな彼が裁判員に選ばれ、凶悪な殺人事件の裁判に関わることに。求刑は死刑。彼は犯人に死刑が妥当とくだせるのか、それとも……。
裁判員になったら……?私が住んでる区はもうすぐ定額給付金の申請書が届くらしいですし、春は届く郵便物から目が放せられませんね! でもそれが、5月21日からスタートする裁判員制度の裁判員としての召集だったら……。 今回紹介する『サマヨイザクラ』は、裁判員制度をテーマにした漫画。上下巻2冊の構成で、制度をサクッと知ることができます。私はこの漫画を読むまでは、「できれば裁判員やりたいな〜」と思っていたのですが、読後は複雑な気持ちになりました。 特に、先進国の多くの国には死刑が無いですが、日本には死刑があります。はたして私たちは、たとえ被告が凶悪犯であっても、他人を「死刑」と断じることができるのでしょうか? 主人公に感情移入して読んでいると、本当に胸が苦しくなる漫画です。 主人公の圭一は、現代の格差社会を象徴するネットカフェ難民なんですが、もともとは有名企業のサラリーマン。正義感が強いあまり、会社の不正を告発して退社に追い込まれ、ネットカフェ難民にまで落ちてしまいます。 そして、圭一が裁判員として裁かなければならない殺人犯は、これも現代社会の象徴であるひきこもりの青年、雪彦。彼には幼女を暴行したという過去もあり、しかもアニメ好きのオタク……。 この設定、面白いです! ほかにもいじめやホームレス、頭はいいんだけど過保護に育てられて性格がシュガー気味な法律家など、これでもか!とばかりに最近の社会の問題点をストーリーに盛り込んでるんです。 その上で裁判員制度を分かりやすく読ませ、ミステリー要素も入れている……。著者の郷田マモラさんは、過去にテレビドラマ化された漫画『きらきらひかる』の作者。『きらきらひかる』は遺体から死因を解き明かす女性監察医の物語で、こっちも面白い! 『きらきらひかる』はけっこう長く続いた連載でしたが、『サマヨイザクラ』はストーリーの始まりから終わりまでをほとんど決めてから描いた漫画とのことで、伏線を張って張ってドンデン返しー!とかあるので、読んでてアツくなります! そして『サマヨイザクラ』、5月にフジテレビで2時間ドラマ化されるようです。漫画が上下巻の2冊構成なので、2時間ドラマにも収めやすく、きっと面白くなるでしょう。漫画を買うのが面倒な場合は、ドラマで見るのもありだと思います。 そうそう、殺人犯の雪彦はオタクなんですが、実は主人公の圭一もオタクなんですよ。しかも好きなアニメが一緒……。そしてひきこもりとネットカフェ難民という、社会にうまく適合できてない点も一緒。 圭一は、凶悪殺人犯の雪彦に感情移入し、そして読者はもしも私が裁判員に選ばれてしまったら……と主人公の圭一に感情移入していく。私はだんだんと、殺人犯の雪彦にまで感情移入してしまいました。 かなりオススメの漫画ですので、興味があるみなさんは、ぜひ読むかドラマで見てみてください! |




