心に残る一作
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ボーイズ・オン・ザ・ラン
- 花沢健吾/講談社
- 27歳でほぼ素人童貞の田西敏行は弱小おもちゃ会社の営業マン。恋愛ベタで仕事の成績も落ちている彼の救いは、可愛い同僚の植村ちはる。彼女と仲良くなりたい田西は、営業先で出会ったライバル会社の社員と協力して、ちはるを誘って合コンを開催するが……。モテない男の気持ちを理解できる(?)風俗嬢必読の一冊。
風俗嬢も納得の一冊?今回紹介するのは、モテない男が主人公の漫画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』です。主人公の田西は27歳でほぼ素人童貞。第1話からいきなりテレクラに行きます。風俗産業は、彼のような男性のおかげで成り立っているのも事実なんでしょうね。 この漫画を読めば、モテないから風俗に来る男性の気持ちが「そりゃしかたないか……」と理解できるかもしれません。漫画を評価する本『このマンガがスゴイ!2007・オトコ版』で7位、雑誌連載中は書店での扱いも人気漫画だったので、ストーリーはおもしろいです。 ていうか私の中のとても好きな漫画のうちの一冊です。田西は、「ルックス良くない」「恋愛ベタ」「弱小おもちゃ会社所属」「要領悪い」など格差社会の下側の人間。やっぱり大衆は、弱者を応援したくなるのかも。 全体的なストーリーは、田西の成長物語です。彼のダメっぷりを見せつけられている私たち読者は、彼がもがく姿に感情移入。田西が笑顔になると読者も嬉しい!って展開ですが、裏切りもたくさん散りばめられていて、作者が憎くなることも……。 一番強烈だった裏切りは、ネタバレになるから書きませんが、接客中は優しくてH好きなのに、本当は「きたねえオヤジ、ブッ殺すぞ」とか考えてる風俗嬢の気持ちを知ってしまったときのお客さん的と言うのかな〜。 ある意味、風俗嬢、ひいては女の子納得の裏切りです。田西の気持ちになるとかわいそうだけど……。でもきっと、裏切りがあるくらいが現実的なんでしょう。私たちだって、自分の思い通りになることって多いわけじゃないですよね。 風俗の面接に「即プレイはないだろう」と思い込んで行ったら、「えっ!うちは即プレイありですよ」って驚かれたり……。あ、この漫画にはソープ嬢や吉原も出てくるんですよ。そういう点でも、読めば親近感がわくでしょう。そのソープ嬢、かなりいい人だし。 ほかには秋葉原や池袋とか。池袋で田西が使ったラブホ(のモデルになったラブホ)なんて私、接客で行ったことあるし(笑)。あとはオタク文化や少年犯罪、イジメや少し古いけどパラサイト・シングルなど、まさに私たちが暮らしている現在社会を描いた漫画です。 すでに全10巻で完結してるので、オトナ買いや漫画喫茶で一気読みできます。私は1巻を読んだだけで「あ、こりゃ全部読まなきゃ!」って思ったくらいおもしろかったです。気になった人はぜひ読んでみてくださいね。 不況不況と言われる2009年、太客ばかりでなく、格差社会の下のお客さんの気持ちも理解して、稼ぎを減らさないようにしましょう! |




