心に残る一作
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男性不信
- 池松江美/太田出版
- 漫画家やイラストレーターとして活躍する辛酸なめ子が、本名「池松江美」名義で書いた自伝的小説。小学生の頃に「メガネザル」という屈辱的なあだ名をつけられるなど、自らのルックスにコンプレックスを持つ主人公の成長を追いながら、ルックスの重要性、男の愚かさを描く。
なめ子姉さん素敵ですそしてまたネットをだらだら見ていた日、辛酸なめ子さんのコラムに遭遇。誰に似ているか分かりました。辛酸なめ子さんです。ああ、「辛酸なめ子さんに似てますね!」なんて言ったら喜ぶ女の子いないだろうなー。 でも、その辛酸なめ子さんに似てる女の子は、けして可愛くないわけじゃないんです。柔らかそうなほっぺのまるい輪郭につぶらな瞳が特徴的。わりと人気嬢のようです。だから、なんか弁解のようですが、辛酸さんも可愛くないわけじゃないんです……。 さて、その辛酸さんが本名の池松江美として書いた小説『男性不信』。ご自分の半生をモデルに書かれた小説です。これを読むと、辛酸さんがいかにルックスにコンプレックスを持ち、ルックスで女性を判断する男性に蔑まれてきたかが分かります。 小説の主人公の名前は虫酸ラン子。独特の視点が魅力のコラムを書いたり、毒舌が売りのテレビのコメンテーターとして活躍しています。でも、そんな彼女の小学生時代は「メガネザル」というあだ名でネクラキャラ。 しかも親にまで「あなたは可愛くないから勉強で頑張るしかないのよ」なんて言われてるほどでした。このアドバイスはいかがなものか……ですが、彼女は「公立中学に入ったらいじめられることは間違いない!」と勉強を頑張り中高一貫の私立女子校に進学するのです。 実際の辛酸さんも中高一貫の女子校に進学し、同級生には元NHKアナウンサーの膳場貴子さんや日本テレビアナウンサーの馬場典子さんが! ここでの生活は、素敵な思い出が多かったようですが、結局のところ女社会にも、おしゃれ度で分かれるグループが存在……。 特に女性は、やはりルックスという呪縛から逃れられないのでしょうか? たしかに可愛い子は特をするというのは真理な気がします。しかし、それを真に受けて「私は不細工だから……」とふさぎこんではNG。 この本をきっかけに、ネットで「辛酸なめ子」と検索してブログやコラム、過去のインタビューなどを読んだんですが、一緒に掲載されている写真を見ると、辛酸さん、確実に可愛くなってます。 あるコラムでは白樺の樹液を飲み、「樹液の栄養で体毛が濃くなってしまったらどうしましょう。せっかく高いお金を振り込んで脱毛サロンに通っているのに……健康と美を天秤にかけて迷っています」なんてことを。 そして、30代に成長した『男性不信』の主人公、虫酸ラン子は自分のルックスについて「まあまあのレベルじゃないかしら。だってお金かけてるもの」「結局、女の顔の美醜なんて経済力なんだということに気付きました」と分析。 さらに「元が美人でも、貧乏で何もケアしていないと容色は衰えてしまいます」「生まれつきの美人でチヤホヤされて育つと、二十代後半くらいから性格の悪さが滲み出てしまうのです」と持論を展開しています。 こういう部分を抜き出すと虫酸ラン子、そして辛酸さんが嫌な女のように見えてきますが、斜に構えた文章が辛酸さんの持ち味なので、そこは真に受けないようにしてくださいね! エンタテイメントとして読み、そして辛酸さんの半生から何かを得ましょう! |




