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心に残る一作
性犯罪被害にあうということ
小林美佳/朝日新聞出版
著者は性犯罪の被害者。2000年8月、道を尋ねる男の声に立ち止まった彼女は、車に連れ込まれレイプされた。事件の状況、彼女の心身の反応、そして事件後の生活。近年の性犯罪被害者を取り巻く状況、家族や恋人、友達との関係は……?事件を機に犯罪被害者支援を考えるようになった著者の、「知ってほしい」ことがつまっている。
こんにちはー、甘宮あまみです。今回紹介する本は、24歳のときにレイプの被害にあった著者、小林美佳さんの経験談『性犯罪被害にあうということ』です。

小林さんの経験にもとづいた性犯罪被害者の心、そして体の動き、周囲との関係など、彼女がみんなに「知ってほしいだけなのだ」という気持ちをメインでつづった一冊。

現在は、犯罪被害者支援を考える彼女の、「ただ、被害者に対して視線を向けるときのほんの入り口として、読んでほしい」という、みんなへの提案です。

自分がもしも、被害者になったら? 友達が、知り合いが被害者になったら……被害者だったら!? 女性なら特に、気になる話題ではないでしょうか?

私が読んで、目からうろこが落ちたような気持ちになったのは、小林さんと友達が、自律神経失調症の人について口論になってしまったエピソード。

友達は、自律神経失調症の人に頼まれて仕事を紹介したんだけど、その人は「自律神経失調症だから」ってことで仕事を無断で休み、早退を繰り返し、あげく退職……。友達は「働けないなら最初から紹介してなんて言わなきゃいい」と超怒っています。

でも小林さんは「そういう病気なんだから仕方ないじゃん」「自分の感情を操作できないんだもん」「精神的に不安定だから、『働かなきゃ』って思うときがあって、そのときにあなたに頼ってきたんじゃないの?」と反論。

そしてふたりの口論は、以下のように解決を見ません。

「足のない人に『ちゃんと両足で歩きなさい』って言う?」「言うわけないでしょ」「なんで?」「だって、見ればわかるじゃん!」「なんで目に見えないことは分かろうとしないの?」「だって、見えないもん。嘘つけるでしょ! わかんない!」

これを読んで、私は反省しました。最近、心の病気が細分化され、いろんな名前を聞きます。私もお医者さんにかかったり、カウンセリングを受ければ、もしかしたら何かの病気に当てはめられるんじゃないの?っていうくらい。

だからまあ、全体的にうさんくさく思ってたんですね。たとえば、足に包帯を巻いてる人が電車で立っていたら、席を譲ります。その人がケガなんてしてないのに、包帯を巻いてれば電車で席を譲ってもらえるから、偽装で包帯を巻いているなんて疑わないでしょう。

なのに、心のケガに対しては、なぜ全体的に疑いの目で見てしまうんでしょうか? それはきっと、目に見えないからなんですね。しかも私は、「今日はやる気でないな〜」とか思うときはあっても、心身ともに元気。だから元気じゃない人が100%は理解できない……。

たぶんこれからも、100%は理解できないと思いますが、もし自分のまわりに、目に見えない痛みをかかえる人がいたなら、私にそのことを話してくれたなら、これからは「100パーOKだぜ!」みたいな気持ちで対することができるでしょう。

この本を読んで、そう思いました。小林さんのレイプ被害についてはあまりふれませんでしたが、1日あれば読める本なので、興味を持った方はぜひ読んでくださいね。

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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。