心に残る一作
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性犯罪被害にあうということ
- 小林美佳/朝日新聞出版
- 著者は性犯罪の被害者。2000年8月、道を尋ねる男の声に立ち止まった彼女は、車に連れ込まれレイプされた。事件の状況、彼女の心身の反応、そして事件後の生活。近年の性犯罪被害者を取り巻く状況、家族や恋人、友達との関係は……?事件を機に犯罪被害者支援を考えるようになった著者の、「知ってほしい」ことがつまっている。
目に見えない痛みを考える小林さんの経験にもとづいた性犯罪被害者の心、そして体の動き、周囲との関係など、彼女がみんなに「知ってほしいだけなのだ」という気持ちをメインでつづった一冊。 現在は、犯罪被害者支援を考える彼女の、「ただ、被害者に対して視線を向けるときのほんの入り口として、読んでほしい」という、みんなへの提案です。 自分がもしも、被害者になったら? 友達が、知り合いが被害者になったら……被害者だったら!? 女性なら特に、気になる話題ではないでしょうか? 私が読んで、目からうろこが落ちたような気持ちになったのは、小林さんと友達が、自律神経失調症の人について口論になってしまったエピソード。 友達は、自律神経失調症の人に頼まれて仕事を紹介したんだけど、その人は「自律神経失調症だから」ってことで仕事を無断で休み、早退を繰り返し、あげく退職……。友達は「働けないなら最初から紹介してなんて言わなきゃいい」と超怒っています。 でも小林さんは「そういう病気なんだから仕方ないじゃん」「自分の感情を操作できないんだもん」「精神的に不安定だから、『働かなきゃ』って思うときがあって、そのときにあなたに頼ってきたんじゃないの?」と反論。 そしてふたりの口論は、以下のように解決を見ません。 「足のない人に『ちゃんと両足で歩きなさい』って言う?」「言うわけないでしょ」「なんで?」「だって、見ればわかるじゃん!」「なんで目に見えないことは分かろうとしないの?」「だって、見えないもん。嘘つけるでしょ! わかんない!」 これを読んで、私は反省しました。最近、心の病気が細分化され、いろんな名前を聞きます。私もお医者さんにかかったり、カウンセリングを受ければ、もしかしたら何かの病気に当てはめられるんじゃないの?っていうくらい。 だからまあ、全体的にうさんくさく思ってたんですね。たとえば、足に包帯を巻いてる人が電車で立っていたら、席を譲ります。その人がケガなんてしてないのに、包帯を巻いてれば電車で席を譲ってもらえるから、偽装で包帯を巻いているなんて疑わないでしょう。 なのに、心のケガに対しては、なぜ全体的に疑いの目で見てしまうんでしょうか? それはきっと、目に見えないからなんですね。しかも私は、「今日はやる気でないな〜」とか思うときはあっても、心身ともに元気。だから元気じゃない人が100%は理解できない……。 たぶんこれからも、100%は理解できないと思いますが、もし自分のまわりに、目に見えない痛みをかかえる人がいたなら、私にそのことを話してくれたなら、これからは「100パーOKだぜ!」みたいな気持ちで対することができるでしょう。 この本を読んで、そう思いました。小林さんのレイプ被害についてはあまりふれませんでしたが、1日あれば読める本なので、興味を持った方はぜひ読んでくださいね。 |




