心に残る一作
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夏空に、きみと見た夢
- 飯田雪子/ヴィレッジブックス
- 解説:主人公の女子高生・塚原悠里(ゆうり)は、美人でプライドが高く、多くの友達とカッコいいい彼氏を持つイマドキの17歳。彼女に片思いする18歳・広瀬天也(たかや)は、告白できぬまま交通事故で死ぬ。そんな見も知らぬ男の葬式にムリヤリ参列させられた悠里は、天也に嫌悪感すら抱くのだが……。高校最後の夏休みに訪れた、不思議な恋の物語。
好きって感情の難しさというのも、著者の飯田雪子さんは中高生向け、いわゆる“ティーンズ小説”でデビューした方。内容もイマドキの女子高生、ストーカー? ホラー!? そして恋愛と盛りだくさん。かといって詰め込みすぎ感は無く、サラサラ〜っと約250ページを楽しめます。 ストーリーは、主人公の悠里が、交通事故死した別の高校の男の子、天也の葬式に参列する場面からスタート。悠里は、天也のことをまったく知らないんだけど、彼が悠里を好きだったという事実を知って、気持ち悪さを感じます。 しかも、天也の恋の感情はかなり深そうなんですよ……。私もはじめ読んでて、これは「キモイ!」と思ってしかたないって、悠里に同情しちゃったもん。タイトルは『夏空に、きみと見た夢』なんていかにも恋愛小説なのに、ストーカーの話かい! と物語の行く末も心配に……。でもね、だからこそ続きが気になったってのもある。この話どうまとまるの??って。読み終わった後は、“人を好きなる”って感情の難しさをしばし考えましたよ。 たとえば、好みの顔の男の子を街で見つけたとしても、その彼とつきあうのはかなり難しいよね。即逆ナンできる女の子もいるだろうけど、男の子によっては「キモ!全然知らない女が話しかけてきた〜」って、感情を持つはず。 私の場合はすれ違ってそのまま終わるんだけど、見知らぬ男に街で本気で一目ぼれしたらどうなるんだろう? 「とりあえず見失わないように付いて行かなきゃ!」「連絡先は重要だから住んでるとこまで……」「電話番号は104で分かるかな?」ってストーキングじゃん! これは大問題ですよね。好きなのに近づきにくい。そう考えると天也は、告白できないまま死んじゃったんだけど、片思いの間は苦労したろうね。悠里を見かけて胸キュンして、たぶん制服でどこの学校か判断したり、もしかしたら家まで尾行してたかも。 でもね、ストーカーまがいも見方によっては純愛野郎だし、他人の大きなお世話も本当に心配してくれてればこその親切だったりするし、不健康そうなガリガリ女は守ってあげたくなる可憐な少女に映ったり、要は視点によって物事はガラッと変わっちゃうんですね。 はたして、悠里と天也の行く末は……? それは読んでのお楽しみでーす。夏、仕事が忙しい季節が始まるから、いっぱい稼ごうね!そして恋ができればなおイイ!んだけどな〜。 |




