心に残る一作
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夢を与える
- 綿矢りさ/河出書房新社
- 解説:幼い頃からモデルとして活躍し、やがて多くのファンを持つ芸能人に成長する主人公・夕子。誰からも愛される存在となった彼女が生きた18年は……。著者は綿矢りさ。2001年に小説『インストール』で第38回文藝賞を当時最年少受賞。2004年には小説『蹴りたい背中』で第130回芥川賞を史上最年少受賞した彼女の、3年ぶりの小説。
主人公は美少女芸能人! 彼女が与える夢とは?黒田さんファンの私は、ドラマ化をきっかけに漫画が売れまくって、「たくさんの人が黒田さんを知ってくれたらなー」と心ときめかせています。そしてドラマには、映画『デスノート』の天才探偵・L役でブレイクした松山ケンイチさんが出演。 『デスノート』で松山さんファンにもなっちゃった私にとっては、幸せな春です。さて松山さん、こないだバラエティ番組で話しているのを見たのですが、出身の青森弁なのか、ちょっとなまったおしゃべりが素敵でした。 彼は今22歳で、テレビデビューは2002年のドラマ『ごくせん』。17歳くらいに芸能活動を本格的にスタートしたみたいです。まだ若い! これから、いろんな作品で彼を見られると思うと、生きる楽しみがひとつ増えたような気がします。 前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは小説『夢を与える』。著者の綿矢りささんは、2004年に日本文学界の最高賞のひとつ「芥川賞」を史上最年少・19歳で受賞した才女。ルックスが萌え萌えの、これまた私好みの方です。 この作品は彼女の、3年ぶりにして芥川賞受賞後の第一作。もう、日本中が待ち焦がれていた小説と言って過言じゃありません! ストーリーは、雑誌のチャイルドモデルから芸能界に入り、日本全国から愛された美少女タレント・阿部夕子の18年。 私は読んでて、いろんなポイントで泣いちゃった。夕子の甘酸っぱい恋だとか、彼女が目標を達成したとき、そして夕子のお母さんの、オトナの女性としての心の動きなんかも胸にズゥーーーンときて、涙がジワーって……。 無名のモデルだった夕子ちゃんに、メジャーな仕事が舞い込んで、トントン拍子で国民的美少女。可愛い夕子、迷う夕子、恋する夕子、がんばる夕子、悲しむ夕子、怒る夕子、そしてエンディングは2007年ぽいと言えばぽい、夕子が見られます。 残りのページが少なくなってきて、夕子の人生を見られるのがあと少しって分かってくると、私の中には「先を読みたくない!」って感情が沸いてきちゃった。こんな小説、初めてだよ。「まだ夕子との時間を共有してたい」「夕子まだ終わらないで!」って思えました。 そんなにこの作品にハマったのは、夕子がある言葉に違和感を持ってて、私がそれに共感できたからかもしれない。その言葉とは、小説のタイトルである『夢を与える』について。インタビューで、大きくなったらどんな人間になりたいか質問された夕子は、マネージャーのアドバイスどおり「夢を与える人になりたい」って言うんです。 でも、彼女はこの言葉がなんか変だな?って感じる。そして私も、風俗の女の子のプロフィールで目にしたり、ムービーのひと言でよく聞く「癒しを与えてあげるね!」みたいな言葉。これにね、すごい違和感があるの。 癒しって与えるものなのかな? 与えますって宣言できるものなのかな??って。これね、今まで誰にもぶつけたことのない疑問。私としては癒しって、感じる側が使う言葉だと思うんだよね。風俗で言えばお客さん。 女の子と遊んだあと、「あー彼女と会うとなんか癒されるなー」みたいな。だから「与えてあげる」って女の子が言うのは、無意識に使っていたとしても、上から目線でお客さんを見てるんじゃないかと……。ごめんなさい! 私なんかが語っちゃって。でも、私はそう思うんです。 と、『夢を与える』を読んで再確認した、私の中の疑問でした。夕子ちゃん目線でのぞける芸能界。多くのタレントがしのぎを削る世界は、きっとお仕事する上でも参考になると思うので、ぜひ読んでみてください! |




