心に残る一作
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さくらん
- 安野モヨコ/講談社
- 解説:舞台は江戸時代。幼くして吉原に来ざるを得なかった女の子・きよ葉が、花魁(おいらん)へと成長する姿を追った漫画。当時の文化・暮らしなどを背景に、遊郭に生きる女と男の喜怒哀楽が描かれている。物語各所に散りばめられた、遊女たちの胸の内には特に注目。2007年公開の同名映画の原作。
人気女性漫画家・安野モヨコが描く江戸吉原私が最初に大好きになった安野漫画は、ファッション誌『CUTiE』に連載されてた『ジェリービーンズ』。デザイナーを夢見てがんばる女の子の成長物語です。なんていうか、オシャレで可愛くて夢が詰まってる少女漫画。これにはね、かなり影響されました。 当時の私が描く絵は、もう『ジェリービーンズ』の影響受けまくり。へたなコピー。しかも、『ジェリービーンズ』の連載を読むとなると、必然的にファッション誌を手に取るわけで、着る服にも影響を与えられた……。今じゃ着ないけど、『CUTiE』チックな服。 で、『さくらん』。これはね、実はあんまり好きじゃなかったんです。正直、ハッピーじゃないんだもん。切ないの。単行本も、1回か2回読んで本棚に置いたまんまだった。でもまあ映画化もされたし、もう一度読んでみよう!ってことで読んでみました。 そして気づいたのは、この漫画には、名言がいっぱい詰まっているってこと。以前は何気なく読み流しちゃった部分に、今読むとドキッ!グサッ!!って感じで心を揺らされます。 ひとつ挙げると、「なりとうないは、なってから言え」。 これは、今で言う“ナンバークラス”の花魁のお姉さんが、吉原に連れてこられたばかりの主人公・きよ葉を怒ったときの言葉。花魁っていうのは、人気・実力もある地位の高い遊女のことで、花魁を名乗れる子って、なかなかいなかったの。 それを子供のきよ葉が、「ふん、花魁なんぞなりとうない」なんて言ったもんだから、カチンと来ちゃったんだろうね。 しかも、江戸時代の吉原で働く子たちは、今よりもずっと不自由だったみたい。吉原の街からはめったに出られないの。そんなだから、客に恋しちゃうのも普通だったのかも。自由を得るには、早く借金を返すこと。借金を返すには、人気を取って稼ぎを多くすること。 花魁になりたくてしかたない遊女は、ごまんといるんだよね。そんな事情や時代背景も含めて、「なりとうないは、なってから言え」って怒っちゃったんだろうなーって思う。 でね、「なりとうないは、なってから言え」を、私がなんで名言かというと、安野モヨコさんが、日本を代表する女性漫画家だから。漫画家として“花魁”だから、セレブだからなんです。 そんな安野さんが書く「なりとうないは、なってから言え」だから、説得力があるんだよね。 ほかに例を出すとね、よく芸能ネタにされる叶姉妹。彼女たちのことをネガティブに書いた記事やテレビ番組のコメントを見聞きすることあるけど、そんなの私が叶姉妹だったら、「は? そんな記事やコメント、私みたいな生活を手に入れてからにしな」って思うね。 はっきり言って私、ヘルスはホント生活費を稼ぐためにやってるから、ナンバー目指したりはしてないんだけど、叶えたい目標は持ってる。江戸の遊女の第一目標は自由を得ること。現代の遊女は江戸時代よりも自由だから、その人なりの目標を叶えるためにがんばれる。 と、こんな締めでいいかな。未読の方はぜひ、読んでみてください! |




