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心に残る一作
  「阿修羅ガール」
舞城王太郎著 2005年 / 新潮文庫
解説:アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアル マゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは―。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。
カモちゃんは舞城王太郎が大好き!あの人の小説のドライブ感には、物凄く“今”を感じるのよね。

ほら、ドラマの「池袋ウエストゲートパーク」ってあったじゃない。
あれもスピーディな展開と映像が凄く刺激的だったじゃない。凄く“今”って感じだったわよね。
あれを小説でやれてるのは、舞城だけだとカモちゃんは思うの。

カモちゃんが最初に舞城を読んだのは、デビュー作の「煙か土か食い物」。

話題が多い人だったから(文学賞の授賞式に覆面を被って出席した、とかそういう話)、どんなもんだろうと思って読んで、びっくらこいたわよ。

漫画やアニメーションで育った世代にしか書けない、小説の常識を無視した文体。展開の速さ、リズム感、たるい部分が一切無いのよ。

このリズム感っていうのは、実際に読んでもらわないとなんだけど、普段小説を読まない人でも全然読めると思うのよね。リズムが漫画に近いから。

そんな訳で今回取り上げるのは、舞城が三島賞を受賞した「阿修羅ガール」。

タイトルが凄い。完璧だわよ、ホント。

内容は、主人公の女子高生(名前忘れた・笑)には小学生の頃から思い続けている大好きな男の子(名前忘れた・笑)がいて、彼の事が凄く好きなんだけど、なかなか思いが伝えられなくて、寂しさからついつい群がってくる男に体を許してしまう。

同級生の佐野(これだけは何故か覚えてる・笑)もそんな男の一人で、その女子高生はつい佐野と寝てしまい、そんな自分にも佐野にも腹が立って、佐野を蹴り飛ばしてホテルの部屋を飛び出してしまう。
翌日、学校に行くと友人に呼び出され、佐野の足の指が切り落とされて自宅へ届けられたという事実を知る。

さて、手元に資料が一切無い為、あやふや記憶でお送りしていますけど、こんな具合に物語は始まります。
そこに“天の声”というインターネットの巨大掲示板に巣食う馬鹿どもや、怪しい霊媒師、子供を殺された夫婦などが登場し、物語は混沌を極めて行くのです。

正直な話、カモちゃん的に「阿修羅ガール」は舞城作品の中でも“ビミョー”な部類に入るの。

なんせ観念的。途中から「ええ!?」って方向に物語が進むから、読んでてノレない。 カモちゃんが舞城の魅力だと考えている“ドライブ感”の部分が少し物足りないのよねー。

カモちゃん的には、初めて舞城を読むのなら「熊の場所」がオススメ。短編集だから読みやすいし、秀作ぞろい。

じゃあ、最初から「熊の場所」の事を書けばいいじゃん!って思った人、まさにその通り。

でも、ほら、短編集だから、手元に資料が無いと説明しづらいのよね。

はい。今日もこんな具合にグダグダになってしまった「心に残る一作」なんですけど、カモちゃんはみんなに舞城王太郎を知ってもらえばそれで満足。

確実に現代を代表する作家だから“本読み”を自称する人なら抑えておいて損はありませんよー。
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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。