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心に残る一作
  60分/¥16,000―デリヘル嬢も本気で恋をします
望月はるか著 / 新風舎
解説:デリヘル嬢だって、恋愛に関しては普通の女の子と同じように悩みます。むしろ、仕事のこともあるから不安も大きくなります。誰かにすがらないと生きられない自分。そんな自分と決別するために書き始めた公開ブログ日記。風俗から足を洗う、恋を成就させる、顔も知らないネットの住人達に決意表明。第25回新風舎出版賞井狩春男賞受賞作品。
はい、どうも、こんにちは。カモちゃんですぞ。さてさて、今回紹介する「60分/\ 16,000―デリヘル嬢も本気で恋をします」ですけど、これは最近流行りのブログを書籍化した本です。カモちゃんもこのコーナーで「深夜聖女」「生協の白石さん」というブログ発の書籍を取り上げてきたんだけど、この作品はあんまり読んでて面白くなかった。とあるデリヘル嬢が、2人の男の間をふらふらして、やがて1人の男に絞る事を決意して、その恋を成就させようと四苦八苦する、という内容なんだけどね、んー……って感じ。

まず、この作品にはエンターテイメント性が欠落してる。“デリヘル嬢”って肩書きだけで、刺激的な感じに見えるのかもしれないけれど、今さら“デリヘル嬢”なんてさほど目新しく無い。し、「デリヘル嬢が本気で恋をする」なんてのは、分かりきってる事じゃない。という訳で、「デリヘル嬢である」という事実を特別視しないで読 むと、本当にただの日記なのよね。ただの女が「好きな人が2人いてどうしよう。けど、やっぱりA君の方が好き!B君には悪いけど、私はA君と付き合いたい!」って言ってるだけ。そんなの読まされても、っていうのが凄くあるのよね。

この本には、その日の日記に対する読者のコメントも載せられているんだけど、みんなちゃんと毎日読んで、マメにコメントをつけてるのよ。こう言っちゃなんだけど、「暇な人達だなぁ」って凄く思うのよね。そういった、傷を舐め合うようなコミューンの在り方にも凄く違和感を感じちゃってダメ。

この作者の文章も、なーんか「私ってダメな女」的なさ、「ダメな自分に酔ってる」的なさ、しっとりとした水気のある文章なのよ。そんな所もカモちゃん的にNG。酔うなら一人で酔え、しっとりするなら一人でしっとりしなさい。なーんて思っちゃう。

しょせんブログ止まりの文章なのよ。読む人の事を考えていない、マスタベ的な文章。だからもう、ブログはブログでやってりゃいいじゃない。ブログの作者と、それを取り囲む人達だけでやってりゃいいじゃない。ブームっていうのは、こういうどうでもいい物を生み出す、という良い例ね。

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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。