お茶ッぴき改造計画
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香水―ある人殺しの物語
- パトリック・ジュースキント著 / 池内紀訳 2003年 文春文庫
- 解説:舞台は18世紀のフランス。町は汚穢(おわい)にまみれ、至るところに悪臭が立ちこめていた。そこに、まったく体臭のない男がいた。男にないのは体臭だけでない。恐ろしく鋭い嗅覚と、においへの異様なまでの執着以外に、男には何もなかった。
これを傑作と呼ばずして何と呼ぶ 香り取り憑かれ、香りを操った、天才的香水調合師の一代記
グルヌイユは何も望まないの。ただ一つ、彼が理想とする香りを得る事以外は。これはとても純な欲望。人の迷惑とか世間体とか、彼はそんなのものを一切気にせずに、自分が考えうる“究極の香り”を得るためだけに、生きているの。小説の内容は相当グロテスクで、主人公への感情移入などできるはずも無い作品なのに、読後感が不思議に清々しいのは、グルヌイユが恐ろしく純粋であるがためだと思うのよね。 香水が好きな人なんかは、古式ゆかしい香水の精製方法などが学べて楽しいかも。でも、香水に興味が無い人でも(いや、女とオカマは絶対に興味を持つべきだけど)、へんてこだけど不思議なテンポの良さに、最後まで飽きずに読めると思うのよ。 これは作者(パトリック・ジュースキント)の力ももちろんあるけど、訳者(池内紀)の力が絶対に大きい。だから、話以上に文章の流れが面白い、傑作中の傑作よ! 18世紀のフランスという、私たちの中では“奇想天外”がまかり通る世界観。その中で暗躍した(もちろんフィクションだけど)、醜悪かつ純粋な男の一代記。ガッツリと良い作品を読みたい!って人になら絶対にオススメできるわ。ああ、世界は香りで満ちていて、香りは力を持っている。たった香水一吹きで、人を、世界を、翻弄する事 ができる。そういった事がよく分かる小説なのよ! |
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