心に残る一作
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さよならみどりちゃん
- 南Q太著 / 祥伝社
- 「あたしのこと、もっと好きになってよ!」主人公・夕張ゆうこはまじめなOL。好きな男ユタカにすすめられてホステスのバイトを始めるが、ずるずると引きずられた生活をしていく…。リアルで切ない恋を描かせたら天下一品!著者初めての長編!
ページを開くと、身近な痛さがそこにある つまりは、ありふれた若者の、ありふれた恋愛模様
- 毎度毎度の事なんですけど、相当ヤバいっす〜。
- 今、これを書いてるのは、朝の通勤電車。この文章が「らぶぼにーた」にアップされるその日、その朝、カモちゃんったら目を血走らせて、バチバチとキーボードを叩いてるって訳なのよー。
- 今、ふと思ったんだけど、オカマにデスクワークって似合わないわよねぇ。
- やっぱり、ステージで腰振ってナンボ。テンション高めで、2丁目をクネクネと闊歩してナンボ。明け方、アパートの片隅で田舎の母親からの手紙に涙してナンボ。中島みゆき聴いても、ユーミン聴いても、それこそオレンジレンジ聴いても、アパートの片隅で涙してナンボの生き物じゃない。
- それがこういう、地味な作業をしていると、オカマである自分の理想と現実のギャップが、なんか、こう、面白いわよね!大したオチとかないわよ!むちゃくちゃ急いでるんだから!
- 今回紹介するのは、取り上げる作品が思いつかなくて、悩んで悩んで、本棚からえいやと抜き出した南Q太の「さよならみどりちゃん」で〜す。
- いや、適当に選んだにしては、なかなかイイ線ついてるんじゃな〜い?これ、映画化したのよね、最近。
- もんのすごいおぼろげな記憶だけど、「こんな地味なマンガ、どうやって映画にするんだろう?」って思ったのよ。
- そう。この「さよならみどりちゃん」はとっても地味なマンガ。どこにでもある居酒屋を中心にした、どこにでもいる男女のお話。
- このマンガが発売された当時、近所のファミマで立ち読みしたんだけど、その時の衝撃ったらないわよね。鼻血出そうになっちゃったもん。
- いや、性的に興奮したとかそういう事じゃなくてね。「あ、このマンガ凄い」っていう興奮ね。
- 涙腺をグイグイ押されて、慌てて買ったもん。コンビニで。チーズおかきと一緒に。
- この作品の何が凄いのかって聞かれると、即答はできないのよね。
- ただありふれた男女がいて、その中には当然恋愛も生まれる。
- その歯車が噛み合わない様や、ふとした瞬間に見つける幸福。その背伸びの無い表現が、実にリアルで、痛切にしみるのよねー。
- この物語の主人公・ゆうこは、小さな会社でごく普通のOLをする女の子。彼女に彼氏はいないけど、セックスをするゆたかという男はいる。
- まぁ、セックスフレンドよね。ゆうこはゆたかと付き合いたいという気持ちはあるものの、「まあ、これでいい か」みたいな割り切った気持ちもあって、ズルズルその関係は続いていくの。
- そのうち2人を取り巻く仲間達の間にも軋轢ができたりして、全ての関係が徐々に歪んでいき、最後にゆうこは自分の本当の気持ちに気付く。
- ……って、これ、ダメ!カモちゃんはあらすじの書けないオカマ!
- だって、上のあらすじを読んだって面白く無さそうだもん!
- 今、カモちゃんにはあらすじを書く才能が 無いという事実が発覚した訳だけど、南Q太は男女のリアルを描く才能に溢れてるの。そんなささいな事だからこそ、感情移入がバリバリ入って、ふとした何気ないシーンですら涙を誘う。
- 感動か?悲しさか?それは全部違うの。これは、全ての若者が共通して持つ“痛さ”が伝わってきて、どうしようもないほどのもどかしさが涙を誘うのよね。それは、どんな涙より、しみじみと切ない。リアルな痛み。



