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心に残る一作
  深夜聖女
 綾乃 /深雪/ミチル/アヤ/ゆり著 アメーバブックス
 ホステス、キャバクラ嬢、風俗嬢、SMの女王などが華やかな舞台裏で本音で「愛」を語る!深夜に働く様々な職業の女性たちが「本音」で赤裸々に書き綴ったブログをオムニバスで収録。共感できるとブログ上の口コミで広がっています。
 二丁目のオカマバーでは、今も昔もWinkが大人気。はーとおーんうぇーぶ♪はーとおんうぇっえーぶ♪ってね、カモちゃんだって、振りも歌も完コピできるのよー。密かな自慢。誰に言ってもあまり相手にされない自慢。
この前、私が翔子ちゃんだとしたら、“さっちん”的立場のオカマの友人と一緒に飲んでたら、その子が「私、今、ブログ書いてるのよー」なんて言うの。
カ モちゃんは、ブログって書いた事も読んだ事も無い、ボールペン工場勤務の31歳のオカマだから「まあ、ご苦労なことしてるのね。
トレンディなことしちゃって、馬鹿みたい」って言っちゃったの。そしたら、さっちんはしゅんとしながら「だって、面白いんだもん」なーんて言うのよ。
私も「しまった!」って思いながら、「言い過ぎちゃったね。ごむぇーん。今度読んでみるわぁ」って言ったら、さっちんが嬉しそうにURLを教えてくれたのよ。
カモちゃんは 「ブログとか、超読まねえ!」って思ってたんだけど、この前、ふとしたきっかけで、ちょろっとさっちんのブログを読んでみたのよ。
そしたらまあ、これが、おもしろい!
ブログって日記的な使い方をしている人が多いでしょ。人の生活を盗み見ているようで、ドキドキしちゃうし、色々な考え方にインスタントに触れる事ができるから刺激的なのよね。
それからは毎日毎日、色々な人のブログを読んで楽しんでたんだけど、やっぱり一番面白いのが、いわゆる「夜の世界」の人が書いたブログなのよね。
やっぱり大人は、朝より夜が楽しい。あの極彩色のネオンの中で生きる人々がつぶやく言葉って、ドラマがある。9時出勤、6時退勤のOLの生活にもそれななりのドラマってあるんだろうけど、夜のオンナには面白みで負けるわよね、正直。
そして、そんなカモちゃんの嗜好にピッタリの本が、この「深夜聖女」。
キャバクラ嬢、祇園のホステス、ソープ嬢、元SMの女王様が書き綴ったブログを集めて、本にして、1300円もごっつあんするっていう、非常にろくでもない体裁の本なんだけど(笑)、ここに出てくる女の子たちってみんな魅力的だし、何より文章が上手い!ぶっちゃけカモちゃんより上手い!
なんていうのかな、テクニックとかじゃないんだけど、文章に人柄がにじみ出てるのよね。
すっごい可愛らしくて、あったかい気分になれたかと思えば、嘘も建前も無い場所で切ないエピソードを綴られると、グッと胸に迫ってくるものがあるのよ。読んでいるうちに親近感が湧いてきちゃうっていうのが“素人文章”の強みだと思うんだけど、この本はそれが顕著よねー。読み終わると、みんな大好きになっちゃう!
元気が取り柄のキャバクラ嬢は、お客さんに恋をして、その恋が潰えた時のエピソードを。
客にしつこく「やらせろ」と迫られるキャバクラ嬢は、その客を上手くいなした時のエピソードを。
上品な文章が特徴的な祇園のホステスは、男女の関係を越えた所に生まれた“客とホステス”の幸福な結末を。
大衆店で必死に頑張るソープ嬢は、面白いお客さんの事をコミカルに。
元SMの女王様は、ダメだと分かっていてもズブズブとハマっていくW不倫の様子を淡々と。
ほら、読みたくなってきたんじゃない?みんなにも、彼女たちと一緒に笑ったり、切なくなったりしてほしい。ブログの中で、本の中で、笑ったり泣いたりする彼女は、アナタなのですから。
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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。