心に残る一作
- 誰も知らない
- 2004年 シネカノン配給/監督・脚本:是枝裕和/出演:柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、YOU
- STORY : 川沿いのアパートに引っ越してきたのは母けい子(YOU)と明(柳楽優弥)、 京子(北浦愛)、茂(木村飛影)、ゆき(清水萌々子)の4人の子供たち。だが、大 家には父親が海外赴任中のため母と長男だけの二人暮らしだと嘘をついている。母子 家庭で4人も子供がいると知られれば、またこの家も追い出されかねないからだ。そ の夜の食卓で母は子供たちに「大きな声で騒がない」「ベランダや外に出ない」とい う新しい家でのルールを言い聞かせた。
- 子供たちの父親はみな別々で、学校に通ったこともない。それでも母がデパートで働 き、12歳の明が母親代わりに家事をすることで、家族5人は彼らなりに幸せな毎日を 過ごしていた。
- ある晩遅くに酔って帰ってきた母は、突然それぞれの父親の話を始める。楽しそうな 母親の様子に、寝ているところを起こされた子供たちも自然と顔がほころんでゆく。 だが翌朝になると母の姿は消えていて、代わりに20万円の現金と「お母さんはしばら く留守にします。京子、茂、ゆきをよろしくね」と明に宛てたメモが残されていた。
- この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの"漂流生活"が始まっ た―――。
“そこ”は決して地獄ではない 小さな手で築き上げ、支えられた、唯一無二の幸福 なコミューン
- どうもー。コンドームは必ず根元で縛るカモちゃんでーす。
- 唐突だけど、柳楽くんっていいわよねー。あの、スーッと刺すような視線、ゾクゾク しちゃうわー。あーんなに色っぽい14歳を相手にしたら、タチのカモちゃんもネコに なっちゃうニャ〜。
- まあ、それは置いといて、この「誰も知らない」はカンヌ映画祭で柳楽くんが史上最 年少で最優秀男優賞を受賞した記念すべき作品よねー。カモちゃんはこの映画を映画 館で観てボロボロ泣いちゃったのー。
- なにせあたしったら、子供が痛い目にあった り、辛い目にあったりする映画に弱いの。どんなストーリーでも、そういうシーンが 出てくると無条件で泣けてきちゃう。
- この映画は、母親が男を作って逃げ出して、アパートの一室に置き去りにされた父親 の違う4人の子供たちが、息を殺しながらひっそりと生活していくって話。帰らない 母親を待ち続ける4人の子供たちが痛々しくて。
- やがて、母親は帰ってこないと気づいてしまう4人の子供たちがやりきれない。
- けど、目を背けられない。惹き付けられてしまう。
- この映画をただ“悲惨”という言葉だけで片付けきれぬ作品にしたのは、是枝監督の演出、更には演出を越えた監督と子供たちの信頼関係によるものがすっご い大きいと思うのよね。
- 母親が残していった金は日に日に目減りしていき、普通に暮らす事もままならない。
- 長男の明は唯一外界と接する術を持っており、ふと入ったゲームセンターで知り合っ た少年たちと仲良くなるが、明の初めての友人は「一緒に万引きをしなかった」とい う理由で彼の元から離れていってしまう。やがて、お金は尽きて、まずは部屋の電気 が止まり、次に水道も止まった。
- そんな絶望的な状況でもね、彼らは小さな体を寄せ合って、生きるのよ。
- 兄は幼い弟 妹を試行錯誤しながら必死に守ろうとするし、弟妹は兄に全幅の信頼を寄せて、そう やって彼らの生活は続くの。
- 是枝監督は映画のラストで“物語の終わり”を描かなかったの。それは、観ている側に想像する余地を残したのよね。我々観客は、あの幼い兄弟に対して「幸福な未来がありますように」と願う事を許されたのよ。それはとても素敵なラスト。何故ならあの子供たちのあくまで前向きな目は、絶望的な未来な んて連想させないんだから!
- 悲惨な状況を描いて泣かせるだけの映画ならいくらでもあると思うの。けどね、この 映画はそのどれとも違う。「誰も知らない」って映画は、とっても不思議な映画。観 ている最中は悲しくて悲しくていくらでも泣けるのに、見終わった後はどこかしら温 かい気分になって、子供たちに対する愛おしさがいつまでも頭からも心からも消えな いのよ。是枝監督、子供たち、グッジョブ!こんな映画って唯一無二よ!大傑作!



