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ひそやかな情熱
- 【著者】遠野春日
- 長年、ヤクザの組長に囲われていた美貌の青年、佳人。ところが彼は組長に逆らい、ひどい折檻を受ける。そこを助けたのが青年実業家、黒澤遥。1億円で身請けし、遥は佳人に「俺が飽きるまで、おまえの身体は俺のものだ」と残酷な言葉を言い放つ。傲慢かと思えば、優しさを垣間見せる遥に、佳人は次第に……。
やっぱり悪い男が好き
こんにちはー、甘宮あまみです。来るべきときが来てしまいました……。ゴジラが、引退してしまいました……。野球選手の松井のことです。昨日、松井のお父さんのコメントで「引退あるかも」みたいな記事が出てたんですが、朝起きてビックリ! 引退会見生中継……。
もう、私がメジャーリーグを見る理由がなくなりましたよ……。ということで、空いた時間が有効活用できる! とポジティブにとらえます。
さて、今回紹介するのはBL小説『ひそやかな情熱』。10年間も大物ヤクザに愛人として囲われていた美青年「久保佳人」が、グレーゾーンな会社をいくつも経営する青年実業家「黒澤遥」に身請けされて……、というラブストーリーです。
以前、BL漫画『どうしても触れたくない』を紹介したとき、ノンケが男といたしちゃう心の動きがいまいちしっくりこないと書きましたが、BL小説の場合はもっと疑問を感じることが多いんですよ。
というのも、男が男にひかれ、セックスに至る理由を文字でつらつらとつづられるので、それを読んでいるうちに覚めちゃうという。でもその点、『ひそやかな情熱』は言い訳めいた説明が少なくて、読みやすかったです。
たとえるなら2時間ドラマ。山あり谷ありHあり。いい男といい男が結ばれてハッピーエンド! です。実を言えば、『ひそやかな情熱』の続編である『情熱のゆくえ』『情熱の飛沫』『情熱の結晶』のほうが読みやすいです。
第1作で、遥と佳人が結ばれるところまで描かれているので、続編は男と男が愛し合うことに対する理由をほぼ書くことなく、2時間ドラマ的事件あり、危機あり、Hあり! みたいなエンターテイメントに徹することができるのです。シリーズものの強みですね。
あと、ストーリーにはけっこうヤクザが絡んできます。佳人はヤクザの愛人だったし、遥はAV制作会社やサラ金など経営していて親友がヤクザ、悪役にもヤクザやヤクザ崩れが……。
正直なところ、実際にヤクザとお近づきにはなりたくないですが、映画やドラマなどフィクションでは主人公に悪役にと、ヤクザを登場させると事件が起こしやすかったり、仁義とか兄弟分とのドラマで泣きどころを作れたりと、かなり便利なキャラです。
ちなみに私、今はそうでもないですが、以前はヤンキー漫画が好きでした。女の子って子供のころは“悪い男の子”に引かれるという説があって、それはきっと真実。たいていは成長の過程で好みが変わるんですが、どうしても悪い男にハマり続ける子は一定層います。
また、私みたいにリアルではお近づきになりたくないけど、フィクションでは“悪い男”好きという子も多いはず。カッコいい男ふたりが主人公で、そこにヤクザが絡む2時間ドラマ的ストーリー。プラスHあり。
本当に2時間ドラマにしたらウケる気がします。長く続く“韓流”を打ち破るコンテンツは、BL小説のシリーズものの中にあるかもしれません。でも、そんなドラマを普通にテレビでやってる世を想像したら、ちょっともう日本ダメかな、とも思ったり(笑)。
やっぱり小説あたりで止めておくのが、冷静に楽しめていいのかもしれません。みなさんもぜひ、『ひそやかな情熱』を読んでみてください。シリーズはこれからも続くようなので、私は松井引退で空いた時間に読もうかしら……というオチで今年はさようなら!
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紹介者のプロフィール
【カモちゃん】
小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。
【甘宮あまみ】
漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。


