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心に残る一作
あしたも、こはるびより。
【著】つばた英子、 つばたしゅういち
83歳と86歳の老夫婦による暮らしの歳時記。愛知県のニュータウンで野菜を育て、換気扇のない台所で料理や保存食を作り、玄関のないワンルームの丸太小屋で暮らす、そんな生活が文章と写真で紹介されいる。半自給自足的な、簡素だけど優雅な夫婦ふたりの1年を追った一冊。

壊れた都会から抜け出す

こんにちはー、甘宮あまみです。2月29日、楽しく過ごせましたか? 街を歩いていると、4年に1度の肉の日とかってイベントを見かけました。29日といえば、家電メーカーのシャープが、なんでそんなこと……っていうミスをして、ニュースになってましたね。

その少し前には、「“壊れた”テレビ市場から抜け出す用意はできている」というタイトルで、シャープ社長のインタビューが紹介されていました。このタイトル、記者が作ったんでしょうか、それとも社長の発言? 社長の発言だったら、逆ギレもいいとこだと思いました。

もう、お客さんの多くは高いテレビに価値を感じて無いんだよー。身の丈にあった生活でいい、そんなふうに思うように、私もなりつつあります。心が老けたのかしら? そんなだから、今回紹介する本『あしたも、こはるびより。』とかを読んじゃうんですね。

この本の著者は、83歳のおばあちゃんと86歳のおじいちゃん。愛知県の住宅街の一角、畑に囲まれた家で、季節の流れに身をまかせ、旬の野菜や果物とともに過ごす生活が紹介されています。

こういうロハスな生活の本ってたくさんありますが、内容が押しつけがましかったり、エコな暮らしってこんなにオシャレ! と別な方にベクトルが向いちゃったりしてる本もあって、途中で「ダメだこりゃ」と読むのをやめることもあります。

でも、『あしたも、こはるびより。』に限ってはそんなことはなし! おばあちゃんとおじいちゃんの素朴で幸せな暮らしが、写真や文章、そしておじいちゃんが描くイラストからにじみ出ています。

読んでて幸せな気分になるとともに、私も都会を抜け出して、こんな暮らしがしたいなー、と思わせてくれますよ。と言っても、いきなりそんな生活はできません。たとえば畑を育てるには年月がかかったり、多くのことに積み重ねが必要。

だからまだ若いうちに、田舎に引っ込もうかしら、なんて……。おばあちゃんとおじいちゃんが暮らす住宅街は、調べてみると名古屋まで電車で30分くらい。東京で言うと、23区外ってとこでしょうか。あまり不便ではない立地のよう。

東京でも似たような暮らしが、実現可能な気がします。でも実は、著者の一人であるおじいちゃん。この人の経歴を見てみると、けっこういい年金をもらってそうなんですよ(笑)。つまりやっぱり、田舎での素朴な暮らしにもお金は大事。

まあ、家や畑を持っていれば、税金を納めなきゃダメなわけで、私たちの生活って、お金から逃げられないようになってるんですね……。ひと昔前はテレビのバラエティー番組とかで、山の中で仙人のような暮らしをしている地域の名物おじさんとか扱ってたじゃないですか。

最近、ああいうのって見ないですけど、あんな暮らしができる名物おじさんは、実はめちゃくちゃお金持ちか、山の一角を違法に占拠しているかで、モラルを重んじる最近のテレビ番組では扱えなくなったのではと、ふと思いました。

数年前、テレビの視聴者が減っていて広告が入りづらくなり、テレビ局がピンチに陥っているという状況がありましたが、総合的に見て、既存の商品やサービスに価値を感じなくなっている人が増えているんじゃないでしょうか。

それはまあ、安いお店が増えている風俗業界の現状にも通じるんですが(汗)。こうなったら田舎に引っ込んで、半農半嬢生活というのも、どうでしょう??

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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。