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KAGEROU
- 【著者】齋藤智裕
- 廃墟と化したデパートの屋上で、自ら人生を閉じようとする中年男、ヤスオ。そこに突如、不気味に冷笑する黒服の男が現れる。「臓器移植をご存知ですか?」ヤスオは、男とある契約を結び、終末の場所へ向かうのだが……。第5回ポプラ社小説大賞受賞、水嶋ヒロの処女小説。
★心揺さぶるお手軽小説
こんにちはー、甘宮あまみです。今日はクリスマスイブ。思い出すのはアニメ映画『東京ゴッドファーザーズ』です。監督の今敏さんは今年、癌でお亡くなりになりました。今さんの作品は手が込んだストーリーづくりで、見るたびに驚き、感心し、楽しめます。
いまや、うる覚えですが2人に1人が癌になるという日本。今さんは享年46歳なので早すぎますが、多くの癌で亡くなる人は高齢者。最近の高齢者は、病院や施設で早くに異常が発見され、どんどん処置されるので結果長生きし、そのうち癌になるんでしょう。
昔のように家族が面倒を見ていれば、なんだかんだで見落としがあって、今ほど長生きせずにポックリ。癌の死亡率もこれほど高くならないのでは……。現代のような高齢社会を支えるにはお金がかかり、かといってほっとくわけにもいかず。難しい問題です。
さて、今回紹介するのは話題の、と言ってもちょっと旬が過ぎちゃいましたが、水嶋ヒロこと齋藤智裕さんの小説『KAGEROU』です。発売前には生と死がテーマと聞いていたので重い話かと思いきや、2時間ほどでサクッと読めました。
ストーリーは、お金に困って自殺しようとする40代の主人公ヤスオが、自殺直前にナゾの組織の男に引き止められ、病気などで困っている人に臓器など全身を提供する代わり、お金がもらえる契約を結び……、という感じ。
ヤスオが全身すべてを提供するまでの、彼とその周辺の物語です。読んでいるときは最後どうまとめるのかな、と思いましたが、まるくおさまります。オンラインストアAmazonのレビューは散々なことになっていますが、ちゃんと読める話だと思います。
レビューで、★1とかつけて恐ろしいコメントを書いている人には、疑問を感じます。でも、レビューは人の主観で、それがルールなので文句は言えません。それがいいところでもあるんだと思います。
だから私は、特にAmazonのレビューを見るとき、★の数でなくレビュー数で作品に興味を持ちます。良い評価でも悪い評価でも、他人にいちいちにネットにアクセスさせ、評価させてコメントまで書かせるほど、心を揺さぶった作品なんだな〜、って。
もちろん、本も読まず★1にするアンチや、本も読まず★5にするオタもいたりしますが、そういう人に注目されているのもパワーのうち。よく、2ちゃんなどで悪口をかかれると問い合わせや指名が増えるのと同じようなものだと思います。
低評価なら、私のために人生の貴重な時間を割いてまでネットにアクセスしてコメントまで書いてくれておつかれさま、高評価ならありがとう、ですよ。ふーむ、早く私も注目されたいです(笑)。
話題の小説なので、読んでおいて損はないと思います。でも、話題の小説だけに、ブックカバーをつけずに電車内などで読むのはちょっと恥ずかしい……。
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紹介者のプロフィール
【カモちゃん】
小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。
【甘宮あまみ】
漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。


