心に残る一作
-
「ブギーナイツ」
- 監督:P・T・アンダーソン 1998年/米
- 解説:70年代後半から80年代にかけて、アメリカン・ポルノ映画製作に情熱を燃やし た人々の栄光と挫折の日々を、当時のヒットナンバー満載でつづる青春群像ドラマ。 イチモツの大きさだけが自慢の高校生エディは、ひょんなことからポルノ界のカリス マ監督、ジャック・ホーナーに認められ、巨根俳優として売り出される。一躍脚光を 浴びた彼はスター街道をまい進するが、やがてドラッグにおぼれ、堕落していく。
パンツの中に宝が眠っている! 時代を駆け抜けたポルノ男優 その栄光と挫折の 日々
この映画は鬼才P・T・アンダーソン(このコーナーでも「パンチドランクラブ」とい
う映画を紹介してまーす)の監督デビュー作。 舞台は70年代後半から80年代、ポルノ業界が隆盛を極めた時期。ディスコで皿洗いをしていたさえない青年が、ポルノ映画 監督の「パンツの中に宝が眠ってるぞ」という言葉に背中押され、ポルノ俳優デ ビュー。持ち前のデカチンを活かしてグイグイ成り上がっていく、って物語なのね。 設定としては下品なのかもしれないんだけど、ディスコミュージックに乗せて描かれ た映像は実に軽妙で、見ていて楽しいのよね。ファッションもオシャレでいい感じな の。 そして、頂点を極めた主人公なんだけど、天狗になり、ドラッグに手を出し、更には ポルノ業界自体も下火になり、ドンドンドンドン落ちぶれていくの。主人公だけじゃ ないのよ。周りのポルノ関係者も、漏れなく落ちぶれる。元からダメな人間の集まり なんだけど、より一層ダメになっていく。やる事なす事うまく行かず、笑うぐらい転 げ落ちる訳よ。 カモちゃんは思ったの。このダメでクズな人達って、カモちゃんの周りにも言える。 みんな社会からつまはじきにされたアウトサイダーなんだけど、社会にダメ出しされ たゴミなんだけど、ゴミはゴミなりに、精一杯生きているのよね。そこに凄く共感が 持てたし、ゴミに優しい視線を投げ掛けるP・T・アンダーソンの眼差しが、ひたすら に嬉しい。 これを読んでる人の中にも、世間と上手く噛み合ない人がいると思う。けどね、大丈 夫。大丈夫なのよ。宝石にもゴミにも、平等に朝は来る。光は注ぐ。この映画を見て いるとね、そんな勇気をもらえるのよね。 この映画は、落ちぶれ切った主人公と映画監督が、再び手を取り合って(2人は主人公 の裏切りで険悪な別れ方をしていた)、またポルノを撮るの。 ポルノしかできないから、彼らは基本に返ってポルノを撮り、再生を目指すの。彼らが再び成功できたかど うかは分からない。時代を考えると成功はできなかったのかもしれない。けど、再生 する意志がある限り、人は再生できる。何度だってやり直せる。そんな事実を教えて くれる映画。 人生に絶望している人には、是非一度見てもらいたい映画ね。きっと 「あ、あたし、大丈夫だ」って思えるはずだから。 |
||





