心に残る一作
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「シーズンチケット」
- 2001年/英
- 監督:マーク・ハーマン
- 出演:クリス・ベアッティ、グレッグ・マクレーン
- 解説:15才の少年ふたりが、サッカーの観戦チケットを手に入れるために、あらゆる 手を使ってお金を稼ごうとする姿を描いたイギリス映画。恵まれない家庭環境のなか にいながらも、必死に夢を追いかける少年たち。父親との関係、初恋、友情など、青 春を感じさせるエピソードをたくさん散りばめながらも、ちょっとせつなくピリリと 辛口に仕上げたのは『ブラス!』のマーク・ハーマン監督。
サッカーを愛する少年2人が織り成す、悲しくもしみじみと温まれる秀作
貧しい2人の少年、ジェリーとスーエルは、学校にもろくすっぽ行かず、街で悪さば
かりしているの。 ジェリーの家庭は、暴力を振るう父親を避けて、姉と母とで転居を繰り返していて、学校の勉強より、社会での適応性に優れたジェリーは、ろくに学校 にも行っていないけど頭が良く、家族を愛していて、それが逆にちょっと切ないのよ。 ちょっと頭の弱いスーエルは、これまたボケかけたおじいちゃんと2人暮らし。 両親の顔は覚えていないの。 貧しくて辛い現実を生きる2人の夢は、大好きな地元のサッカーチームの試合をいつ でも生で観戦できる「シーズンチケット」を手に入れる事。でも、そのチケットはと ても高価で、とても2人が手に入れられるようなものじゃないの。だから2人は、悪知 恵を絞りながら一生懸命お金を貯めて行くの。目標金額まであと僅かとなった時、 ジェリーの父親が大切な貯金を盗み出し、ふりだしに戻ってしまった2人は、ついに 銀行強盗を決心するの。 今、開催されているワールドカップは、華々しいサッカーの祭典だけど、その裏側に は貧しくてもサッカーを愛するこういう人達がいるのよね。 映画の中でジェリーが父親と初めてサッカーを観に行った時の思い出を語るの。 「(最初に連れていってもらったサッカーの試合のこと)何か覚えている?」 「父さんのコート。分厚くてすごく暖かかった。寒くて震える僕に掛けてくれて、 すっぽりくるまるとホカホカした。風も吹いたし、雨も降ったけど、まるで平気だっ た。時々僕を気にする父さんはジャンパー1枚。でも満足そうだった」 「やさしいわ」 「ハーフタイムには紅茶を買ってくれて一緒に飲んだ」 「おいしかった?」 「最高(Belter)だった。本当に最高(Purely Belter)だった。砂糖は二つ。ミルクは たっぷりで。どう例えたらいいのか、あれは世界一の紅茶だった」 父親との美しい思いでなど持っていないはずのジェリーが語るこの思い出が、とても 切なく響くのよ。 辛い現実を生きる2人だけど、前を見据えて頑張って生きている。悲劇と喜劇の交錯 する物語だけど、悲しくしすぎないのがマーク・ハーマンの上手さ!最後にはとびっ きりのサプライズを持って、私たちを温かい気分にさせてくれるのよ! 4年に一度のサッカーの祭典で世界は湧いているけれど、こういうしっとりとした物 語を見てサッカーの良さをしみじみと味わう。ワールドカップ後に是非見てほしい映 画だわよね! |
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