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心に残る一作
  陰日向に咲く
劇団ひとり著 / 2006年 / 幻冬舎
解説:お笑い芸人・劇団ひとり、衝撃の小説デビュー! 「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」ほか全5篇を収録。落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説集。
「劇団ひとり」。カモちゃんはね、初めて劇団ひとりの名前を聞いた時、糸井重里の仕業かと思っちゃった。それほど凄いネーミングセンス!センス・オブ・ワンダー!

カモちゃんはね、初めて劇団ひとりを目撃した時の衝撃が忘れられないの。あれは何年前なのかしら。もうよく覚えてないんだけど、極楽とんぼがMCをつとめていた深夜番組に劇団ひとりが出てたのよ。何をやってたのかは覚えてないんだけど、感極まって泣き出しそうになっている、今となってはお馴染みの演技を披露していたのよね。

それを見てカモちゃんはね、「うわ!なに、こいつ?演技、うまっ!んで、おも ろっ!」って思ったものよ。出番は少なかったけど光ってたわよねー。共演の加藤鷹 も相当光ってたけど、それに負けず劣らず光ってた!

この本には、そんな衝撃のファーストコンタクト以来、カモちゃんは劇団ひとりが大好き!密かに応援し続けてるの。そして、今年になって、劇団ひとりが小説を出版するというでありませんか!カモちゃんはね、走ったわよ。書店に。それで手に取ったわよ。この「陰日向に咲く」を!

そんな訳で、読み始めた「陰日向に咲く」なんだけど、読んで思ったわよ。「うわ!なに、これ?文章、うまっ!んで、おもろっ!」って。本当にね、とても芸人とは思えない文章の上手さなのよ。そして、面白いし、泣ける!

この小説は、5つの短編から成り立っていて、各物語の登場人物が他の物語にも顔を出して、影響を与えながら繋がっていく、という最近流行りの手法で描かれた小説。

前にここでも紹介した「ララピポ」とおんなじ構成よね。確かに物語のリンクのさせ方とか、「ララピポ」と比べちゃうと不自然な印象を受けちゃったりもするんだけど、5つの短編全てが劇団ひとりのスパイスを効かせつつ高いクオリティで描かれているから、全く問題なし。

登場人物の描き方も秀逸。劇団ひとりって一人芝居をするでしょ。カモちゃんは劇団ひとりの一人芝居って、かの一人芝居界の重鎮・イッセー尾形にも負けないと思ってるんだけど、とにかく人のダメな部分とか、可愛らしい部分とか、面白い部分とかをクリアにして人に伝えるのがとても上手いと思うのね。そういった劇団ひとりのスキ ルが、この小説には存分に生きてるの。素晴らしい!

タレントがただの気まぐれで出したような小説では、決してない。小説の構成自体は凄くオーソドックスで、特に突飛な物ではない。けど、そこに感動が生まれるのは劇団ひとりの筆致が確かな物である証。本人も「難しい事は書けないし、書きたくない」と言っている通り、小説嫌いな人でも絶対に楽しめる作品だから、是非読んで、あったかーい気持ちになってね。劇団ひとりLOVE!

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紹介者のプロフィール

【カモちゃん】

小学生の夏休み、自転車で日本一周を志し東京を出発。その晩は伊豆下田の親切な老人の家に泊めて貰うも、老人の“年齢の割に強い腕力”に屈してヴァージンを捧げる。翌日には泣きながら東京の実家へと舞い戻る。 しかし、幸か不幸か味をしめてカマ道一直線。現在は派遣でボールペンに芯を入れる仕事をしながら、日々同僚の苦学生に熱い視線を送る31歳。前科一犯。


【甘宮あまみ】

漫画家を目指してヘルスで働く女の子。日常の行動範囲はアパートとお店、本屋、画材屋、レンタルビデオ屋と狭く、疲れたときはネットを眺めるのが好きな準ひきこもり。漫画を描いてはいろんな賞に応募したり、出版社に持ち込みに行く積極性はある。お店年齢は21歳。