心に残る一作
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ビッグ・フィッシュ
- 2003年/米 ソニー・ピクチャーズエンターテイメント配給
- 監督:ティム・バートン
- 出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ジェシカ・ラング
- 出産間近の妻とパリで幸せに暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。彼の父エドワードは自分の人生を幻想的でマジカルな話として語り、聞く人を魅了し楽しい気分にさせる名人だった。ウィルも子どもの頃はそんな父の話を聞くのが大好きだった。しかし3年前の自分の結婚式で喧嘩して以来、父とは不和が続いていた。そんなある日、母から父の病状が悪化したとの報せを受け、ウィルは妻を連れて実家へと向かう。しかし、病床でも相変わらずホラ話を繰り返す父と、父の本当の姿を知りたいと願う息子の溝はなかなか埋まらなかった…。
父よ!共にこの映画を観よう!そして、すれ違った時間を少しずつ埋めよう!
- 去年の話。カモちゃんはこの映画が観たくて観たくて仕方がなかったの。
- 休日に一人で映画館に行くのが寂しいな、と感じたカモちゃんは、お友達が集まる掲示板で呼びかけたの。
- 「みんな!カモちゃんと一緒に『ビッグ・フィッシュ』を観に行こう!そして、共に泣こう!『第一回ビッグ・フィッシュ鑑賞オフ会』は、今度の日曜日決行で〜す!」
- 当日、待ち合わせの渋谷駅には、まあ、誰も来なかったわよね。打ちひしがれた思いで映画館へ行って、カップルや家族連れでごった返す中、一人で鑑賞。
- したらもう、この映画が良すぎて、ボロボロ泣いたわよね。一人で。隣のカップルがギョッとしてたもん。オカマが横でさめざめと泣いているから。一人で。
- この、ありふれた親子の断絶と共に語られるのが、若き日のエドワード・ブルームの冒険鄲。
- 昔、出会った魔女や巨人の話。愛する女の子のために一夜で罷免の水仙畑を作り上げた話。
- カモちゃんも割と世間体を気にする人間だから、劇場でボロボロ泣けないのよ、特に一人では。
- そんな威力のあるハートウォーミングなおとぎ話が、この「ビッグ・フィッシュ」。ティム・バートンお得意のファンタジックな映像世界に乗せられて描かれるのは、ドリーミングな世界観であり、父と子の断絶を描くリアルなセンチメンタリズムでもあり。とにかく色々な要素が混在しつつも、それが一つの世界にキッチリと収まっているのが凄いのよ。
- 若い頃から人におとぎ話めいた自分の人生を語り、人々を楽しませていたエドワード・ブルーム。そんな父親に不信感を抱き、常に反発しつつも、誰よりも父からの愛情を求める息子。
- 息子の婚約者は、死を間近に控えた父と分かり合ってほしいと、彼に言う。
- そして、エドワードにも息子にも、婚約者にも、変わらぬ愛情を注ぐ母親。
- そういったリリカルな物語の美しさが、胸を満たし、着々と死に近づいてゆくエドワードの姿、徐々に父親を理解しわだかまりを溶いていく息子の姿、それらが一つの枠に収まると、自分でも何で泣いてるのか分からないような涙が溢れてきちゃうの。
- この歯切れの悪い文章を読んでもらえれば分かる通り、とても説明のしづらい映画なのよね、これ。
- カモちゃんは、愛って「家族」のみが、突き詰めて言えば「親子」のみが、獲得しうるものだと思ってるから、これは愛を描いた作品なのよね。
- かつて家族の中にあった愛が立ち行かなくなって、それが再構築されていく様は、とても愛おしいの。
- 父親は最終的に孤独になる生き物。カモちゃんもそうだし、みんなもそうだと思うけど、父と子の距離は時が経つにつれて広がる一方だし、それを縮めるのはとにかく難しい。
- だから、お父さんと一緒に、この映画を観よう!埋めろとは言わないけれど、埋める事の大切さを意識しようよ!
- これを一緒に観る事で、お父さんと新たな関係が生まれる。そんな力がある映画だと思うのよね!
- ちなみにカモちゃんもお父さんを「よう、オヤジ。一緒に『ビッグ・フィッシュ』観ようぜ!」と無理な男言葉で誘ってみたら、「俺は『大脱走』が観たい!」と駄々をこねるので、仕方なく「大脱走」を一緒に観ました。
- スティーブ・マックィーンって素敵よねー。あの男臭さがたまらないのー。てへ。



