風俗百物語           誰にもいえない、みんなに言いたい、ウソのような本当の話! え、うそ? そんな話は信じられない? でも信じてほしい、聞いてよ、聞いてよ! 私の内緒話。見知らぬ人にだけ伝えたい話がある。本当にあった私だけのとびっきりメモリー。

風俗百物語 VOL.13
タクシー運転にデジャヴられて……

  
とあるボーナスシーズンに、オープンラストでつきっぱなしの週がありました。最後の接客を終えたらもうボロボロ。アパートには、店から歩いてでも帰れるんだけど、疲れまくって動きたくないの。

だからその週は、帰りはいつもタクシー。ラストの接客が終わりそうになると、店の人にタクシーを手配してもらっていました。

その日も、清算して着替えを済ませて更衣室を出ると、店長が「○○さん、タクシーの準備できています」とスマートな対応。できた店長です。

私も、「今日も1日ありがとうございました。明日もよろしくお願いします」と、疲れていながらも礼をつくしてお店を後に。タクシーの後部座席に乗り込み、ドアが閉まるともうダメ。不機嫌な声で行き先を告げると、座席にバッタリとほぼ気絶状態。

いい女がそんな無防備でヤバくない?と思われるかもしれませんが、タクシーはお店に呼ばれてナンバーから会社から運転手の名前から店長にチェックされているので、バカなことはできないのです。

だから私は、帰りのタクシー内ではワガモノ顔。でも、その日の運転手は違っていました。「お客さん、お客さん」と途中で車を止めて、私に話しかけるのです。超イラつきながらも目を開けると、運転中のオロオロとおびえきった顔が見えました。

彼が言うには「私、お客さんを何日か前に乗せてるんですよ、夢の中で」なんて……。不機嫌な女を乗せて風俗街を走る夢。今日はそのデジャヴってわけです。夢の内容はポツリポツリとしか記憶にないんだけど、結末は、私が宙に舞って頭から地面にガツーン!!

運転手はこれまでもデジャヴを体験したり、林道でバイクの幽霊に遭遇したり、運転中に金縛りになったり、客を乗せていないのにルームミラーに人が映っちゃったりと、タクシーでありがちな心霊現象は体験済みとのこと。

さすがに私も恐くなって、運転手が呼んでくれた別のタクシーに乗り帰宅しました。いつもなら何も気にせずだらけるタクシー内ですが、その日はもしかしたらルームミラーに幽霊が映ったり、床から青白い手首が出てくるんじゃないかと気が気でありませんでした。

そんなこんなで疲れは倍増。アパートの外階段をふらつきながら上り始めると、不安定なミュールのかかとがグラリ……。私はバランスを崩し、右肩にかけたバッグがグラ〜ン……そのイキオイで私の体はフワリと宙へ……。

前の文はけっこう演出を含めて書いてますが、私はそのまま地面に頭をガツーン!! 階段を、まさに上り始めたところだったので大事に至りませんでしたが、大きなたんこぶを作る羽目になりました。

私のこの体験、はたしてタクシー運転手のデジャヴが原因なんでしょうか? 私の極度の疲れが原因なんでしょうか?? とりあえず、あの霊感運転手にはもう二度と会いたくないので、タクシーを頼むときは彼の会社以外でお願いしています。
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反省すべき

運転手さんが、教えてくれたのに注意もせず落ちたのは貴方の責任 参颪い燭・覆い覆鵑童耄蕕鮓世Δ戮C任

話の内容より

自分で自分をいい女とかどんだけだよ

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