風俗百物語           誰にもいえない、みんなに言いたい、ウソのような本当の話! え、うそ? そんな話は信じられない? でも信じてほしい、聞いてよ、聞いてよ! 私の内緒話。見知らぬ人にだけ伝えたい話がある。本当にあった私だけのとびっきりメモリー。

風俗百物語 VOL.3
私にとりつかないで…

神奈川 小雪 28歳
「せっちゃん」の事件があってから、足のふくらはぎに妙な違和感を感じはじめました。それがどんどん強烈になってきて、ついには足をひきずらないと歩けないくらいになってしまったんです。
私はこれまでも、いくつかの心霊体験がありました。たとえば、個室の中で待機していると、ベッドや壁が、何かにつかまっていなければ倒れてしまいそうなくらい激しく揺れる「ポルターガイスト」現象に見舞われたり、個室で接客中に、ルームライトのカバーや換気扇のカバーが突然落下してきたりと、奇妙な現象が続発しています。
もしかしたら、この足痛も「せっちゃん」と何か関連があるのかもしれない。そう思った私は、友達の紹介で除霊師を呼んで除霊をしてもらうことに決めました。
除霊師さんがいうには、取り付いていた霊が出て行くとき、取り付かれていた人間は、その霊が死んでいくときに経験した感覚を追体験するから、覚悟をしてくださいと最初に言われました。
私の除霊が始まると、急に喉が苦しくなって、呼吸ができなってしまいました。本当に死ぬくらいの苦しみでした。でもそれがしばらく続いたあとは、突然楽になって足の痛みもなくなっていたから、これで『せっちゃん』も成仏したのかなぁって……ほっとした気持ちになりました。
身の毛もよだつ体験をして疲れきった私は吉原を離れ、静かな地方のソープで働きはじました。
そして新しい店で働き始めてからすぐに、私は同じ霊感体質のお客にめぐり会ってしまったのです。その人は私が事情を話さなくても、今の状況を理解して、有能な霊能者を紹介してくれることになりました。
あまり気が進みませんでしたけど、お客さんが、この土地ではもっとも信頼できる人だから、というのでもう一度、除霊してもらうことにしたんです。
私の前に現れたのは、ごく普通にそしてどこにでもいる中年の女性でした。もちろん初対面であることはいうまでもありません。しかし私を見た、突然彼女は取り乱したように
「せっちゃん、せっちゃんって誰なの?」
って私にきくんです。
どうして?「せっちゃん」のことは、誰にも話していないのに。知っているはずがないのに。せっちゃんはまだ成仏しきれず、まだ私についてきたんです。その霊は肩の後ろのほうにいるって霊能者の方が言うんです。さらに驚いたことにもうひとつ「せっちゃん」とちがう霊も私にとりついているっていうんです。しかもかなり強烈なエネルギーだそうです。
そこの霊がのったままだと、絶対よくないことが起こるというから、その人に除霊をしてもらうことになりました。
かなり難しい除霊だったようですが、霊能者の方が言うにはほぼ成功したみたです。除霊をしてもらってから、特に体に異常は見られないし、私にとりついた霊は、いなくなったようです。でも私はとりつかれやすい体質だそうで、霊のいそうな場所になるべく近づかないようにきつく言われました。
落ち着いたらまた東京に戻りたいと思っているのですが、また変なものを連れてきちゃったらと思うと、怖くなります。でも静かな地方ぐらしはちょっと退屈です。今は戻るか、戻らないか、とても迷っています。
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私も体験あり?

この前、お盆で墓参りにいき他の墓石が倒れていたので直してしまいました。それ以降具合いが悪い。

こわかったよー

○鳥ちゃんだよね!霊能者の先生は優しい人でしたか?私も伺いたいです。

悪寒がした。

冷たい冷気を浴びた気分!正直な気持ち。心臓が痛い。心臓をわしづかみでギューギュー絞られた感じ

よかった。

早合点して下の投稿にレスしちゃいました。成仏してくれたのね!よかった。貴女の善い守護神になってくれますね!

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