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らぶぼ塾

HIVの無料検査&無料相談で有名な「赤枝六本木診療所」赤枝先生が、HIV・エイズについて集中講義

12. 性行為以外でHIVに感染する可能性は?

生徒 前回、HIVに感染するかしないかはウイルスの量が関係があるとおっしゃっていましたが。

赤枝 はい。まずHIVウイルスが含まれるという点で、よく知られているのは感染者の血液、精液、膣分泌液、母乳ですが、唾液、涙、尿、髄液にもHIVウイルスは存在します。でもこれらはそれぞれ、HIVウイルスの濃度が異なるんですよ。

生徒 キスしたときに唾液から移るなんてことは?

赤枝 ないです、ないです。たとえば唾液でHIVに感染するウイルスを集めようと思ったら、バケツで何杯も必要ですから。そんな状況、実際に作れないでしょ? キスでは感染しないと言われているのは、そういうことなんです。

生徒 なるほど。じゃあ血で感染っていうのはどうですか?

赤枝 まず、過去にあった血液製剤からの感染は今はありません。現在は十分に対策がとられています。

生徒 じゃあたとえば、接客中にお客さんがケガしたときとかは?

赤枝 血で感染というと、心配があるとすればそこですよね。ケガ人を助けたり事故に巻き込まれたりしたとき。でも、たとえHIV感染者の血液が皮膚に付着したとしても、健康な皮膚にウイルスは入れません。もし傷口があったとしても、ちょっとやそっとの血液じゃウイルスが足りません。よって普通の生活の中で血液から感染することはほとんど無いと言っていいです。

生徒 では血液とか精子とか、そういうHIVウイルスを含む体液がポトッと外に落ちたような場合はどうですか? それが、ずっと生きていて……、みたいな。

赤枝 HIVウイルスは空気感染なんてしませんし、空気にふれてしばらくすれば乾燥して死んでしまいます。繰り返しになりますが、感染するにはウイルスの量ね。HIVの感染能力は非常に弱いので、同じ便器を使って感染するだとか、お風呂で感染するということもありません。

生徒 いや〜、分かっちゃいるけど心配なんですよね……(笑)。

赤枝 はっきり言い切っちゃうとね、現在はHIV、エイズっていうのは性感染症として位置づけられています。現実的に考えた場合、日常生活の中で感染する可能性があるのは性行為のみです。

生徒 具体的にはどんなセックスが怖いんでしょうか?
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次回は、危険なセックスとは?
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