

- 埼玉県 本当は34歳 34歳
- 私が25歳の頃から、常連で毎年誕生日プレゼントをくれた客がいるんですが、どんどん変な方向へエスカレートしていった話です。
25歳は、ケーキとアクセサリーでした。ちょっと個性的なセンスのアクセサリーだったけど、風俗客によくあることなので普通に受け取りました。
それから年々、特に上手くもない似顔絵とか、手作りの宝石箱(市販の箱をデコったやつ)とか、ただの自己満の押し付けのようなものをもらっていたのですが……
今年は30歳!
「記念すべき歳だから記憶に残るものをプレゼントしたい!!」
と張り切っていて、嫌な予感がしました。
そして当日、彼がなにやら大きな機材を持ってやってきたんです。
「え? え? なに? あれ、なに?」と、めちゃめちゃ気になりつつプレイをして
終わった後に
「今日から30代だね! 良いスタートがきれるように応援ソングを作ってきたよ!」
と、持って来たベースとアンプをつなぎだして
ベェーーーーーン!!
と弾きだしたんです!
「ちょちょちょちょい!! 音でかい!! 迷惑になるから!!」
と慌ててとめたら凹んでしまって。
「気持ちはとってもうれしいよ! ありがとう!」
とフォローしたら
「じゃあ歌だけでも…」と、アカペラで歌い始めました。
正直、伴奏がないからメロディーもよくわからなくて、
歌詞も「希望に向かって走れ」みたいな
ありきたりな感じでした。
「だいたい、弾き語りって、ギターでやるもんじゃないの? なぜベース持って来た!?」
と思いつつ
それでも「うれしいー! すごーい! これ全部自分で作ったの!? かっこいいー!」
と褒めました。
内心「私ってほんと嘘つきだなー」と思いながら。
当然、誕生日も年齢も、嘘です。